研究課題/領域番号 |
22K12930
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小林 吉之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究チーム長 (00409682)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 歩行 / 高齢者 / 転倒 / スマートフォン / カメラ |
研究実績の概要 |
国民の健康維持・増進は、超高齢社会を迎えた我が国にとって特に重要なテーマである。近年、画像から人物の2次元姿勢を推定し、歩行特徴評価に応用する技術が報告されている。しかしこの技術は2次元姿勢の評価のため、被写体を撮影するカメラの位置と姿勢を固定する必要がある。より手軽に、どのアングルからの撮影でも歩行特徴評価が実現できないか?本研究は、ライブラリを参照することで画像から人物の3次元姿勢を推定する技術に、申請者らが開発した産総研歩行データベースと相同モデルによる歩行姿勢シミュレーション技術を掛け合わせ、『スマートフォンで歩行動作を撮影するだけで、3次元の歩行特徴評価を可能にする基盤技術を開発すること』を目的とする。具体的には次の2つの課題に取り組む。
課題1:産総研歩行データベースと相同モデルによる歩行姿勢シミュレーション技術による、 大規模な3次元歩行姿勢ライブラリの構築 課題2:開発した3次元姿勢ライブラリの活用による、位置と姿勢が未知な単眼カメラから被写体の3次元姿勢情報を高い精度で推定する技術の開発と、スマートフォンへの実装
2023年度は、①昨年度実施した実験室実験の成果について、実際の高齢者施設でも使えるかのPOC検討、②当該技術の応用についての検討を行った。これらの成果の一部は,国内外での学会発表などの成果につながった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実際に介護事業等を行っている者とのディスカッションなどにより、これまでの技術の課題と、それを解決するための方略が明らかになり、研究が飛躍的に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに得られた知見を基に、実際に高齢者施設等に実装できるような仕組みに落とし込むための研究開発を行っていく。具体的には、これまで半手作業で抽出してきた指標の自動抽出化と、結果のフィードバック画面の構築も含めた全体デザインの開発などを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:以下の2つの理由による。 ①引き続きのコロナ禍により検討していた学会参加などができなかったため.②当初の計画よりも姿勢推定技術の普及が広がり,Apple社やGoogle社が独自のライブラリを提供し始めたため,それらの使用により開発コストが下がった点も挙げられる. 使用計画:①積極的に学会参加し、成果の普及に貢献する。②開発されたライブラリを活用し、さらなる技術の発展を狙う。
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