研究課題/領域番号 |
22K12936
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
亀田 剛 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (30277610)
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研究分担者 |
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オーラルフレイル / 支援機器 / 予防 / 上肢障害 / ICT機器操作 / 健康寿命 |
研究実績の概要 |
本研究で開発する口腔内ICT機器操作装置は、舌操作部,口腔内支持部,電子回路部から構成される。昨年度、その電子回路部分の作製と動作確認は完了した。そこで、令和5年度は、その電子回路部分を組み込む外骨格について製作を行った。まずは、歯科用シリコン印象材と即時重合レジンを用いて大まかな外骨格を決定し、2次元の展開図を作成した。その後に、その外形を3Dスキャナーにてスキャンニングし、その3次元データと2次元展開図から、コンピュータ上でCADソフトにて3次元の設計図を作成した。作製した3Dデータは、3Dプリンタにて出力し、その使い勝手を吟味し、改善していった。この作業を4回繰り返し、外骨格を完成させた。完成した外骨格に、電子回路部分であるジョイスティック部分とプログラムをインストールしたUSBモジュール部分を接続し、さらに、防水のためのパッキングやシーリングを行った。完成した試作デバイスをコンピュータに接続し、問題なく動作することが確認された。また、装着者の活動を制限しないために、移動への対応も考慮して、ウェアラブルPC、ミニPC+モバイルバッテリー、タブレットを用意し、さらに、ディスプレイとしてARグラスを用意して、それらでの本試作デバイスの動作確認を行い、問題なく動作することが確認された。また、予備実験として、ウェアラブルPC+ARグラスでの動作させたときの装着者の唾液分泌量、頬部および顎下部での筋電位を測定した。その結果、使用によるそれらの増加が認められた。本結果は、令和5年11月の第82回日本矯正歯科学会学術大会(2023年11月1~3日、新潟)で発表した。令和6年度には、支援機器実証試験第1相に準じて、さらなる解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度内に口腔内ICT機器操作装置の試作が完了した。さらに、各種コンピュータやディスプレイなどの組み合わせにおいても、使用時の動作確認を行い、問題なく動作することが確認された。また、予備実験として、本デバイス使用時の装着者の唾液分泌量、頬部および顎下部での筋電位の増加が認められた。令和6年度には、支援機器実証試験第1相に準じて、さらなる解析を行う予定である。必要な機器や機材などはすでに調達しており、必要な環境整備もすでに完了している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に口腔内ICT機器操作装置の試作および動作確認は完了し、装着者の唾液分泌量、頬部および顎下部での筋電位の増加を予備実験で確認した。令和6年度には、支援機器実証試験第1相に準じて、さらなる解析を行う予定である。必要な機器や機材などはすでに調達しており、必要な環境整備もすでに完了している。さらに、データを蓄積し、学会発表、論文発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度内に口腔内ICT機器操作装置が完成し、3台の最終試作および動作確認は完了した。さらに装着者の唾液分泌量、頬部および顎下部での筋電位の増加を予備実験で確認した。ここまでの内容を令和6年4月の日本歯科理工学会第82回学術講演会(2024年4月20~21日、鹿児島)で発表するため、その旅費を令和5年度分で出す予定であったが、時期的に間に合わなかったために余剰金となった。令和6年度には、支援機器実証試験第1相に準じて、さらなる解析を行い、学会発表、論文発表を行う予定であり、その旅費や論文の英文校正および投稿費にあてる予定である。
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