研究課題/領域番号 |
22K12979
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研究機関 | 一般財団法人人文情報学研究所 |
研究代表者 |
青野 道彦 一般財団法人人文情報学研究所, 仏典テクスト研究部門, 研究員 (10773567)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 上座部仏教 / サマンタパーサーディカー / ヴィナヤピタカ / デジタルテクスト |
研究実績の概要 |
先ず、『サマンタパーサーディカー』のシンハラ文字版(Simon Hewavitarne Bequest版)について、異読の確認作業を進めた。令和4年度は人員を確保することができず、作業が滞ったが、令和5年度はスリランカ人の協力者を得て、テクスト全体の異読の確認作業を終了することができた。今後、TEI(Text Encoding Initiative)のガイドラインに準拠してマークアップをすれば、Versioning Machine 等でローマ字版(Pali Text Society版)との対照表示が可能となる。次に、ビルマ文字版(ビルマ第六結集版)のデジタルテクスト(CST 4.1 https://tipitaka.org/cst4)について、誤入力がないかサンプル調査を行った。その結果、誤入力以外にも大きな問題があることが明らかとなった。底本である紙媒体には1950年代に出版されたものと1980年代に出版されたものとがあるが、現行のデジタルテクストはその折衷版であることが判明した。今後、調査結果を取りまとめて、公表する予定である。この他、三蔵(聖典)の新校訂版の制作プロジェクト Dhammachai Tipitaka Project を進めているタイの Dhammachai Institute を訪問し、デジタルテクストの構築作業について現地調査を行った。三蔵について、ローマ字版、タイ文字版、シンハラ文字版、ビルマ文字版のデジタルテクストを紙媒体の版本と校合する作業を行っていることが明らかとなった。その調査結果については、2024年3月に『人文情報学月報』で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度に人員不足のため計画通りに実施できなかった入力作業の一部が残ったため。ただし、令和6年度に実施予定のビルマ文字版のサンプル調査を前倒しして行ったので、若干の遅れにとどまる。
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今後の研究の推進方策 |
ローマ字版のデジタルテクストを紙媒体の版本と対照して、誤入力を修正する作業を進める予定である。作業人員の確保が難しい場合には業者に発注することも検討したい。併せて、タイ文字版についても誤入力がないかサンプル調査を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
シンハラ文字版の異読確認作業に謝金支出が生じなかったため。また、タイでの現地調査で受け入れ先が滞在費等を負担したため。
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