研究課題/領域番号 |
22K12992
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
五十嵐 成見 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (10839830)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | キリスト教 / ルター派 / カテキズム教育 / フィンランド / 宗教改革 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度の海外渡航による研究調査の成果として収集された資料を整理しつつ、それらを詳細に読解・解釈することに多くの時間を費やした時であった。また、国内においても、さらなる文献調査を行い、今後の論文執筆に向けた重要な資料をいくつか新たに見出すことができた。これにより、どちらかと言えば、アウトプットよりも、研究面でのインプットとしての成果が比較的大きい年度となったということができよう。 一方で、アウトプットとしての、学会等での研究発表の機会を持つことができなかった。ただし、研究論文自体は、1本執筆することができた。この論文では、特にフィンランドにおける社会民主主義体制の成立と高福祉制度の基礎的変化において重要な役割を果たした宗教改革運動について、教育学の観点から詳細に考察した。特にカテキズム教育の拡充に伴うルター派思想の浸透に焦点を当て、その影響を指摘したこととなる。 この研究成果によって、前年度の研究論文との連続性が明確に位置付けられることとなった。さらに、24年度の研究内容との有機的接続の準備が整ったことともなる。結果として、本年度はインプットとしての研究活動が中心となった一年でありながらも、その内容が、研究完成年度としての次年度の研究活動に繋がる重要な基盤となった、といえる。またこの基盤が、今後のさらなる研究の発展に寄与するものと期待されよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、個人的事情が重なり、アウトプットとしての研究発表や論文執筆は、当初23年度としては2本程度想定していたが、1本に留まった。
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今後の研究の推進方策 |
予定している残り2本の論文執筆に関して、精度を上げて読解作業を行いつつ、アウトプットとしての学会発表及び研究論文の準備を進めていく。また、最後の1本の更なる資料収集及びインタビューを行う必要があるため、海外渡航による研究調査を行い、更なる研究領域の拡充としての研究交流を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外渡航による研究調査に費用を当てる予定だったものの、費用の面から、今年度の予算だけでは必ずしも十分に研究調査を行うことができないと判断したため、次年度の予算と合わせて遂行することとなった。
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