研究課題/領域番号 |
22K13022
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
宮本 裕子 明治学院大学, 文学部, 研究員 (60867406)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | アニメーション / ニューヨーク / アメリカ文化 / 映像 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、「ニューヨーク派」のアニメーション・スタイルと制作様式について明らかにすることを目的としている。初年度である令和4年度においては、本課題の最初の段階として、既存のスタジオ研究書や歴史書の収集・整理、またニューヨークのスタジオが1930年代から40年代に制作した映像を収録したソフトの収集を中心に行った。 入手した既存のスタジオ研究書を精読することで、ニューヨークの一部のスタジオにおける制作工程やその傾向、制作の予算や規模、所属していた人員を整理した。これに加え、複数の歴史書から、ニューヨークのスタジオに一時期でも所属していた個々のアニメーターやスタッフを整理し、各人のスタジオ移籍の遍歴をデータベース化する作業を進めた。本研究課題は、スタジオという総体よりも、個別のスタッフのスタジオ横断的な仕事に注目することで、個別の制作者の創造とスタジオの制作様式との間の折衝を検討し、「ニューヨーク派」のスタイルを明らかにすることを含むため、この作業が進められた異議は大きい。制作工程に直接かかわる人員の数は非常に多いため、研究課題の遂行上重要と考えられる者を抽出することに努めたが、この作業は今後も継続される予定である。 入手した映像ソフトに関しては、整理を行ったものの、文字資料整理が先行したため、映像の具体的な分析に関しては十分に着手できず、活用しきれてていない。二年目にあたる令和5年度以降、集中的に映像分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は年度をまたいで購入予定だった書籍等の文字資料の一部が、先行して入手可能だったため、こちらの購入に研究経費を優先的に使用した。これにより、文字資料の収集と整理は進んだものの、映像分析用の機器の導入を見送った。そのため、初年度に行う予定であった映像資料の分析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
文字資料の収集と整理、個別のアニメーターとそのスタジオ移籍の遍歴に関するデータベース化の作業を引き続き進める。映像分析用の機器を導入予定のため、これを用いて映像の分析を本格的に開始する。また、ニューヨーク現地での資料収集と調査も行う予定となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
映像分析用の機器を購入予定だったが、書籍などの文字資料の入手を先行させた。その結果、同機器を購入するには至らない金額が当該年度の残額となった。令和5年度の経費と合わせて同機器を購入する予定である。
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