研究課題/領域番号 |
22K13074
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
永嶋 友 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 講師 (60919140)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | モダニズム / BBC / ラジオ / アーカイヴ / 第二次世界大戦 |
研究実績の概要 |
2022年度は国内・海外で公開講演・研究発表を計6本行なうことができた。そのうち3本は第二次世界大戦前・中・後のイギリス・日本のラジオ放送についてであり、博士論文の一部を発展させたもの、もしくは、本年度新たに開拓したものである。中でも、国際学会のパネル‘Spiritualism and the Occult’における研究発表では、海外研究者から有益なフィードバックを頂くことができた。この発表を通して、イギリスとの比較対象として、新たに、近代日本のラジオ放送とモダニズムの研究も進めることできた。残りの3本は、2022年に出版100周年を迎えたジェイムズ・ジョイスの小説『ユリシーズ』についてである。その中で、ジョイスとメディアやラジオ放送の関係性についても考察を深めることができた。ジョイスのようなモダニズム期の著名な作家とラジオ放送との関係性を深めることは、新モダニズム研究の一分野であるラジオ・モダニズムを語る上で重要になってくる。さらに、『英詩研究会10周年記念詩文集 Right Margin 詩の余白から生まれるもの』に、拙著「ルイ・マクニースのBBCラジオ番組「なぜ詩人になるのか」」を掲載して頂いた。これは2022年度に新たに開拓した内容だが、国内・海外でほぼ論じられたことがないマクニースの第二次大戦期のBBCラジオ番組を扱い、その番組の概要、その番組のプロパガンダ性などを扱い、マクニースが第二次大戦時に説いた詩人になる・詩を書く理由を考察した。また、前年度の研究発表2本に対する報告書も執筆した。博士論文やその後の研究を基に現在鋭意執筆中の、第二次世界大戦期イギリスのラジオ作品と戦争文化に関する単著研究書については、2021年度に出版社とのやりとりを開始したのち、2022年度にその執筆に本腰を入れることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第二次世界大戦期イギリスのラジオ作品と戦争文化に関する単著研究書の出版に向けて、概ね順調に執筆が進んでいる。それに付随する研究発表や論文執筆も、今のところ、十分に行なうことができている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度、2024年度は研究発表や論文執筆を少し控えめにして、研究書執筆に専念し、できれば2023年度までに(遅くとも2024年度までに)これを出版することを目標にしたい。当初は、2023年度、2024年度にアーカイヴ調査を予定していたが、まずは研究書執筆に専念し、その中で、もしアーカイヴ調査が必要となれば、海外出張の計画を立てることにしたい。
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