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2023 年度 実施状況報告書

現代ドイツ文学における「転換(Wende)」の歴史化

研究課題

研究課題/領域番号 22K13091
研究機関東京都立大学

研究代表者

金 志成  東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30822952)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード現代ドイツ文学 / 東ドイツ / 翻訳 / 抒情詩理論 / クィア理論
研究実績の概要

本年度は本研究課題の枠内においては東独出身の詩人・作家であるルッツ・ザイラーの研究に主に取り組んだ。主な成果として、日本独文学会春季研究発表会におけるシンポジウム「抒情詩の「話者」再考:「リュリコロギー」の批判的受容に基づくケーススタディ」にてザイラーの第二詩集を対象に最新の抒情詩理論を用いた口頭発表「ルッツ・ザイラー『ペヒ&ブレンデ』における一人称代名詞の再帰的・演技的な身体性」を行い(2023年6月23日)、さらに東京都立大学にてウィーン大学より教授を招聘して「物語とジェンダー」をテーマにした日本文学・ドイツ文学の交差的なシンポジウムを共催し、ザイラーの長編小説『クルーゾー』に描かれる「男同士の絆」についてセジウィックらのクィア理論を用いた口頭発表を行なった(2024年2月3日)。
加えて、研究成果の社会への還元も積極的に行なった。具体的には、『文庫で読む100年の文学』(中公文庫)にてギュンター・グラス『ブリキの太鼓』の解説を担当したほか、4月にはゲーテ・インスティトゥート東京にてルッツ・ザイラー『クルーゾー』についての紹介トークを、11月には駐日欧州連合代表部主催のヨーロッパ文芸フェスティバルにて文芸翻訳者としてドイツ語圏の未翻訳作品であるテレツィア・モーラ『ムーナ、あるいは人生の半ば』についてプレゼンテーションを、さらには東京都立大学人文科学研究科紀要にクレメンス・J・ゼッツの短編小説についての論文を寄稿するなど、本研究課題がテーマとする最新のドイツ語圏文学について知見を広めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ルッツ・ザイラーの『クルーゾー』について、昨年度の翻訳出版を経て、口頭発表の形で学術的な成果を出したほか、抒情詩理論やクィア理論を用いた展開をもたらした。

今後の研究の推進方策

本年度の口頭発表の成果を踏まえて、日本独文学会機関誌をはじめとする専門ジャーナルへの論文投稿を推し進める。

次年度使用額が生じた理由

一部の海外文献が年度内に届かなかったため。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] ウィーン大学(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      ウィーン大学
  • [雑誌論文] 平らな深淵:クレメンス・J・ゼッツの短編小説をめぐる試論2024

    • 著者名/発表者名
      金志成
    • 雑誌名

      人文学報

      巻: 520-14 ページ: 25-41

  • [学会発表] 憧れだけは誰にも禁止できない:ルッツ・ザイラー『クルーゾー』における男同士の絆2024

    • 著者名/発表者名
      金志成
    • 学会等名
      物語とジェンダー:ドイツ文学研究と日本文学研究の交差
  • [学会発表] ルッツ・ザイラー『ペヒ&ブレンデ』における一人称代名詞の再帰的・演技的な身体性2023

    • 著者名/発表者名
      金志成
    • 学会等名
      日本独文学会
  • [図書] モルブス・アウストリアクス2023

    • 著者名/発表者名
      前田 佳一(編著)
    • 総ページ数
      436
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      4588495216
  • [図書] 文庫で読む100年の文学2023

    • 著者名/発表者名
      沼野 充義 (編集), 松永 美穂 (編集), 阿部 公彦 (編集), 読売新聞文化部 (編集)
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      中央公論新社
  • [学会・シンポジウム開催] 物語とジェンダー:ドイツ文学と日本文学の交差2024

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公開日: 2024-12-25  

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