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2023 年度 実施状況報告書

幼児のコミュニケーションにおける相互交渉の多様性に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13109
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

居關 友里子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (70780500)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード日常会話 / 相互交渉 / コミュニケーション行動 / 談話行為
研究実績の概要

昨年度に引き続き、子どもを含む会話に対する談話行為タグの付与を実施し、アノテーション枠組みの検討を行った。0歳9カ月から6歳0ヶ月のデータに対するアノテーションを試み、およそ2歳0ヶ月以降の月齢では大人の会話に行ったアノテーション枠組みを用いることで、やり取りの大筋が把握可能であることが明らかとなった。一方で、子どもとの会話の特性として観察された具体的な行為の実行にかかわる行為や、良し悪し等の評価といった道徳的発達に関わる振る舞いについては現在の枠組みでは捉えることができないことも明らかとなった。そのためこれらを踏まえたタグセットの拡張が必要とされる。
また、子どもと保護者の間で行われる相互交渉について、すでに分析を進めているごっこ遊び場面に加えて、共に物作りを行う共同作業場面を分析対象とし、参与者の身体的振る舞いを含めた微視的分析を行った。いずれもやり取りや作業の進行に生じた問題とその対処に注目し、子どもと母親はその両者が状況と互いの振る舞いに注意をはらい、振る舞いを調整している様子を記述した。これらのやり取りを通して子どもは、特定の場面に限らない、より汎用的で基礎的な能力の発達に繋がる経験を得ていることが示唆された。
これらの成果について、学会・研究会での成果発表を通して意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アノテーションの作業および枠組みの検討は課題への対処の具体的方策の策定に時間を要しておりやや遅れているが、微視的分析については分析対象を増やしながら順調に記述を進めており、全体としてはおおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

談話行為アノテーションについて、会話参与者の月齢に合わせてアノテーションの厚みに差をつけつつ、アノテーション作業を完了させる。これらに対する量的分析の結果と適用したアノテーション枠組みを取りまとめる。
質的分析については、会話参与者の月齢のバランスを見ながら場面を追加し、これまで扱ったデータの記述と合わせ、子どもの相互交渉過程と場面の関係を中心に比較・検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

アノテーション作業者人件費について、作業時間・雇用人数が予定数に届かなかった。また、新型コロナウイルス感染症の問題で収録協力先の収録受け入れが遅れたことを受け、使用データの整備が後ろ倒しになっている。これらの理由により次年度使用額が生じている。次年度使用額については、アノテーション作業者への謝金、および学会・研究会参加などの成果発表(旅費・消耗品費)を中心に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 親子の共同行為場面における振る舞いの調整 : お菓子作りの事例から2023

    • 著者名/発表者名
      居關 友里子、小磯 花絵
    • 雑誌名

      言語資源ワークショップ発表論文集

      巻: 1 ページ: 263~272

    • DOI

      10.15084/0002000134

  • [学会発表] 幼児とのやり取りに対する談話行為タグ付与の試み2024

    • 著者名/発表者名
      居關友里子、田中真理子
    • 学会等名
      シンポジウム「日常会話コーパス」IX
  • [学会発表] 子どものごっこ遊びにおける設定共有の試み2023

    • 著者名/発表者名
      居關友里子
    • 学会等名
      ことば・認知・インタラクション12

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公開日: 2024-12-25  

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