研究課題/領域番号 |
22K13124
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
坂喜 美佳 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (30807897)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | サ行イ音便 / 音便 / 動詞の活用 / 『方言文法全国地図』 |
研究実績の概要 |
本研究は、方言における音便現象を詳細に記述し、それを元に地域間の比較・中央語史上の傾向との対比を行うことで、現在見るような音便現象の地理的広がりが、歴史的にどのように形成されたのかを明らかにすることを目的とするものである。特に本年度は、九州地方に赴き面接調査を行うことを計画していた。当該年度に実施した研究は以下の通りである。 (1)調査項目の選定:調査を行うに当たって、これまで調査に赴いたことがない九州地方、中国地方の、動詞の俚言形の収集を文献によって行い、調査項目を選定した。 (2)調査場所の選定、インフォーマントへの依頼:上記(1)の作業を経て、新型コロナウイルス感染症が少し落ち着いてきたころに、実地面接調査を計画した。実際に九州へ赴こうとした夏~秋にかけて再び新型コロナウイルス感染症が拡大し始めたため、今年度の面接調査は断念することになった。 (3)オンライン調査方法の模索:コロナ禍が続いたため、面接調査ではなくオンライン調査を行えないか、様々な方法を試した。これまで調査に協力してくださったインフォーマントへ依頼し、オンラインで調査を行うことができないか模索を何度か行った。インフォーマント側へ一度も訪れない調査となると、インフォーマントの知識や所持している機材に大きく依存する調査であり、なかなかうまくいかなかった。 結果として新しい調査を行うことはできなかったものの、次年度にすぐ調査に取り掛かれるように準備することはできた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記「研究実績の概要」にも書いたように、新型コロナウィルス感染症拡大により現地調査が全く行えず、研究は予定通りに進まなかった。また、代わりとなるオンライン調査の検討に時間を要し、オンライン調査においても実際の調査を行うことができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今度の研究の推進方策としては、研究内容に大きな変更はないが、今年度実施できなかった面接調査を残りの2年間の研究計画に含め、遅れを取り戻す必要がある。遅れを取り戻す上で、次年度は調査を行いながら並行して分析も進めていく必要がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度の実地面接調査は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、実施できなかったため、今年度の費用がそのまま次年度使用額として残ることになった。来年度は、今年度行えなかった調査を含めて、計画していた調査を全て行う予定である。
|