研究課題/領域番号 |
22K13160
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
王 林鋒 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (70806322)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 学び合うコミュニティ / 外国語教師教育 / 高度専門性 / 協働省察 / 実践的力量形成 |
研究実績の概要 |
本研究は、学校教育における外国語教育の質的向上の実現に向けて、ALTと学校教員による実践を協働的に省察する専門職学び合うコミュニティを構築し、協働省察を通じた実践的力量を育む過程を明らかにすることを目的とする。 目的遂行のために、次の二つの研究課題を実施してきた。 ①「ALTと学校教員による教育実践を語り合う会」の運営及び定期開催を行うことによって、実践を協働的に省察する専門職として学び合うコミュニティの構築過程及びメカニズムを解明する。協働による実践を省察する学び合うコミュニティの理論的・実践的研究については、オンラインで自主参加の「ALTと学校教員による外国語教育実践を語り合う会」の運営及び月一回の開催を行い、教師教育学理論の視点からその実践を考察し、事例研究に基づき、学び合うコミュニティが形成され、持続するモデルを提示するように試みた。3年間に渡り「ALTと学校教員による外国語教育実践を語り合う会」に申し込んだ参加者へのアンケート調査を分析し、ALTが専門性向上のニーズを洗い出して、投稿論文としてまとめた。②ナラティブ・インクワイアリー(Narrative Inquiry)という質的研究手法を用いて、ALTと学校教員の実践的力量を検討することによって、専門職として学び合うコミュニティを通して、ALTと学校教員の実践的力量を促す要因及び直面する課題を明らかにしようとしている。それに加えて、3人のALTに着目して、授業参観、ALTの専門性向上に関わる質問紙調査及びインタービュを行い、論文を執筆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協働による実践を省察する学び合うコミュニティの理論的・実践的研究については、オンラインで自主参加の「ALTと学校教員による外国語教育実践を語り合う会」の運営及び開催を行い、教師教育学理論の視点からその実践を考察し、事例研究に基づき、学び合うコミュニティが形成され、持続するモデルを提示するように試みた。
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今後の研究の推進方策 |
従来の外国語教育の質的向上を目指した教員養成・現職研修では、英語教師に求められる資質能力の指標とそれを向上させるプログラムや研修体制の充実が中心的課題とされ、ティーム・ティーチングの在り方を含めALTの専門性についてはほとんど議論されてこなかった。特に英語教育の早期化によって、小学校の現場では、担任の英語力不足、ALTの指導力の差異、管理職協力体制の意識差が問題となっている。こうした現状に対して、今後の研究は、異なる背景をもつALTと学校教員が専門職としての学び合うコミュニティを構築し、お互いの長期的な教育実践を協働で省察することによって実践的力量の育成と共に外国語教育の質的向上を図ることから、お互いの実践の悩みを共有し高め合うことを目指す「ALTと学校教員による外国語教育実践を語り合う会」と授業づくりに焦点を当てる「授業研究会」の多層的な実施を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
780円の残額があったが翌年度分として請求した助成金と合わせた旅費に充てる。
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