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2022 年度 実施状況報告書

英文読解における「中心性効果」に関するメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K13163
研究機関獨協大学

研究代表者

木村 雪乃  獨協大学, 法学部, 専任講師 (40779857)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード英語教育 / リーディング
研究実績の概要

テキスト内の中心的情報は、周辺的情報に比べて再生されやすい (中心性効果)。また、第二言語での読みでは母語での読みに比べて中心的情報の再生が少ない (中心性の欠如)。本研究の目的は、これらの現象が起こるメカニズムを検証することである。本年度は、英語学習者の読解において、読みの目的によって中心性効果は変化するか、という問いを検証するための実験を行った。
読みの目的を操作するために、内容理解を目的とした読解を行う統制群と、周辺的な情報に注意を向けさせる質問を与える実験群を設定した。協力者は読解教示が与えられた後、英文を読み、覚えている内容をすべて再生する筆記再生課題、英文にその情報が書かれていたかどうかを判断する再認課題、テキスト情報の重要度を5段階で評価する重要度判断課題を行った。筆記再生課題の結果から、統制群では周辺的情報よりも中心的情報が多く再生された。一方で、実験群では中心的情報よりも周辺的情報が多く再生された。これらの結果から、英語学習者の読解には中心性と読みの目的の両方が反映されることが示唆された。
本研究は、読み手・テキスト・タスクの観点から読解を多角的にとらえ、英語学習者の読解メカニズムを説明できる点で意義がある。また、今後行う実験の結果と総合して、テキスト理解度やタスクパフォーマンスを向上させるための効果的な指導法について具体的な示唆を得ることを目指している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は実験的調査を含むため、協力者を募り個別に面会して実験を実施する必要があるが、新型コロナウイルスの影響を考慮し、本年度実施する実験はオンラインでの実施に変更した。それにともない、当初予定していた実験の内容を一部変更する必要が生じた。

今後の研究の推進方策

1年目の研究では、実験実施の都合上、英文読解後のテキスト記憶に焦点を当てた実験を行ったが、今後は読解中のプロセスにも焦点を当てた実験を実施する。具体的には、テキスト読解中の読解時間や眼球運動の測定も行うことによって、英語学習者の読解中のプロセスに、情報の中心性と読みの目的がそれぞれどのように反映されるのかを明らかにする。
また、タスクパフォーマンスが高い読み手の読解プロセスに中心性と読みの目的の影響がどのように反映されるかを調べるための実験も行う予定である。要約タスクのパフォーマンスが高い読み手の読解プロセスの特徴を明らかにすることにより、効果的なリーディング指導法を提案することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

今年度実施した実験について、学習者の熟達度を要因として考慮するため、幅広い熟達度を持つ協力者のデータが必要であった。しかし、協力者としてリクルートできた学習者の熟達度のばらつきが想定よりも小さかったため、次年度に追加でデータを収集する必要性が生じた。そのため、追加で行う実験に伴う出張旅費や協力者の謝礼として助成金を使用する予定である。
また、新型コロナウイルスの影響により、予定されていた実験の内容を一部変更する必要があり、実験にかかる経費に変更があった。今後行う予定の実験に必要な設備・備品に助成金を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effects of Centrality and Relevance on Text Memory in EFL Reading2023

    • 著者名/発表者名
      Yukino Kimura
    • 学会等名
      The 33rd Annual Meeting of the Society for Text and Discourse
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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