研究課題/領域番号 |
22K13189
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
古川 祐貴 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (00784860)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 対馬宗家文書 / 売立 / 朝鮮史編修会 / 日韓会談 / 島外流出事件 / 日韓図書協定 |
研究実績の概要 |
江戸時代の対馬宗家が作成・管理した対馬宗家文書のうち、初年度の研究課題は「売立」(1910年代)に関するものである。過去の研究において旧華族らは大正5年(1916)から昭和16年(1941)までに毎年100回程度の「売立」を行っていたことが知られている。これらの「売立」は「売立目録」としてまとめられることが多く、その原本が東京文化財研究所などに保管されている。近年ではこれらの「売立目録」を網羅した書籍(都守淳夫『売立目録の書誌と全国所在一覧』〔勉誠出版、2001年〕など)やデータベースも開発され、容易に「売立目録」が検索できるようなった。 しかし、対馬宗家文書が「売立」られた事実を「売立目録」から追究することはできなかった。書籍やデータベースで検索するだけでなく、東京文化財研究所へ出張して現地調査も行ったが、対馬宗家文書の「売立」に関する「売立目録」を発見することはできなかったのである。このことは対馬宗家文書の「売立」がなされなかったことを意味するわけではない。恐らく「売立目録」は美術工芸品の「売立」の際に作成され、古文書のような歴史資料の「売立」のときには作成されなかった可能性がある。では古文書のような歴史資料の「売立」はどのようにしてなされていたのであろうか。 ここで注目したのが、古書店の回顧録である。店主が明治・大正・昭和期の古書業界を語ったものであり、その中に古文書「売立」の事実を認めることができる。対馬宗家文書の「売立」に関しても数件確認することができた。これらをまとめて、「江戸藩邸由来対馬宗家文書の伝来――明治・大正期における養玉院保管分の売立・売却――」と題した報告を、弘前大学國史研究会令和4年度大会で行った。報告原稿は論文としてまとめ、今後発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究課題に関して、学会報告を行い、それに基づく論文作成ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
対馬宗家文書に関して、①「売立」(1910年代)、②朝鮮総督府朝鮮史編修会への売却(1926年)、③日韓会談(1965年)、④島外流出事件(1993年)、⑤日韓図書協定(2011年)といった契機を見出し、計5ヶ年で研究を遂行する。令和5年(2023)度は②の課題に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ノートパソコン、デジタルカメラを新規に購入する予定であったが、既存のもので代用することができたため使用額残が生じた。この残金は次年度の韓国渡航旅費に充てるつもりである。
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