研究課題/領域番号 |
22K13281
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
沼本 祐太 同志社大学, 法学部, 助教 (70883073)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 行政各部 / 内閣 / 行政組織法 / 独立行政委員会 / ヒエラルヒー / 分担管理原則 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究目標に関連して、2本の論文を執筆することができた。 1本目は、独立行政委員会制度について検討する「独立行政委員会制度の日独仏比較研究――行政各部編成論第三部――」同志社法学74巻6号(2022年)51-134頁 である。本論文では、行政各部の編成方法として、原則形態がヒエラルヒー型であるとすれば、そこから逸脱した例外的形態である独立した機関の設置が、いかなる場合に許容されるのかという古典的論点について、ドイツ及びフランスの議論を見つつ、これまで行政各部について研究してきたところと結びつけて検討している。執筆の中で、すでに十分に指摘されてきたところではあるが、これまで国家行政組織の原則形態とされてきたヒエラルヒー構造からの逸脱が頻繁に見られるようになっていること、しかし、それでも大臣責任の観点からこれがやはり法的な原則形態であること等を確認できた。また、日本において主張されている学説(独立行政委員会設置にあたっての長期的利益の保護という視点)と同様の議論が両国でもなされていることを確認することができた点も一つの成果であった。 2本目は、いわゆる分担管理原則と関連して、ドイツにおける所管原理、すなわち各所管大臣による所管領域における独立した職務遂行に関する、「ドイツ連邦共和国基本法における所管原理(Ressortprinzip)の考察」同志社法学太田裕之教授退職記念論集(予定、原稿提出済)である。本論文では、基本方針決定権限を有する宰相、あるいは合議体である内閣との関係で、各所管大臣はどういった権限を有するのかについて、ドイツにおける大臣の役割に関する歴史的制度の変遷を振り返りつつ検討した。本稿執筆において特に興味深かったのは、ドイツにおいても、各省横断的な行政機関との関係で、所管原理がその障害となりうるとする議論が行われていることであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、同志社大学に移籍後一年目であったが、順調に研究を遂行することができた。 研究目標との関係では、ドイツ及びフランスの議論を検討するのが本年度であり、次年度以降は両国よりも日本における学説の整理・検討に時間を割く予定であったが、すでに個別の独立行政委員会について来年度執筆の予定が入っており、順調に研究を来年度も含めて順調に研究を遂行することができると思われる。なお、ドイツ及びフランスの議論については、来年度も折を見て研究を続けていくこととしたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画通りに研究を行っていく。 加えて、来年度については、独立行政委員会の実際の活動の仕方にも詳細な分析を加えるため、判例評釈を通じた検討を行うことが有益なのではないかと考えるに至ったため、これを当初の計画に加えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年に引き続き、コロナ禍においてオンラインでの研究会が増えたため、若干の余裕額が生じた。 翌年度はこれを文献費・旅費等の追加分としたい。
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