研究課題/領域番号 |
22K13301
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研究機関 | 多摩大学 |
研究代表者 |
樋笠 尭士 多摩大学, 経営情報学部, 専任講師 (80803999)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 自動運転 / 責任 / 遠隔監視 |
研究実績の概要 |
本研究は、自動運転車のレベル4(部分自動運転)における各関与者の義務と責任を措定することを目標とする。日本は、混在空間(人、一般車、自動運転車が混在する交通空間)におけるレベル4の社会実装を2025年に控える。行政側の指針では、明確な関与者の体制・義務などは明らかとなっていない。 本研究は、混在空間におけるレベル4自動運転の社会実装に向けた喫緊の課題(遠隔監視者、製造者、運行者、乗客に 求められる法的義務は何か、また、事故発生時に各関与者に刑事責任が生じるか、ならびに、生じるとした際の刑事責任の内容は何か)に対して、各関与者ごとに必要な対策(遠隔監視者の規定、運行者として留意すべき恒常的な業務内容の確定、製造者が運行者および遠隔監視者に対してとる措置・連携、乗客への車内マニュアルと事前説明)を提示する。本年度では、実際の実証実験への参画(お台場、羽田、柏の葉)を通じ、遠隔監視で監視者に必要な知識・経験および監視体制について検討を深めた。また、オペレーター業務に関するドイツ側の施行規則なども調査した。 さらに、2023年4月1日より施行される道路交通法の施行規則等の分析を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経済産業省のレベル4プロジェクト(2022年度に10回)、EUのレベル4プロジェクト参加者(2022/6月)との意見交換もでき、実務の現状と規制のあり方を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
【理論研究】申請者が参画しているEUの自動運転プロジェクトで、各国の混在空間レベル4ユースケースを検証する(3SHOWプロジェクトEUにおける意見交換)。続いて、下記の実証研究1~5で得た知見をもとに、4実証実験調査を踏まえた作為義務 を明文化し、各関与者の義務・責任を明らかにする(本申請研究の到達目標)。 【実証研究】「混在空間」における1実証実験(千葉県柏市)の「遠隔監視」現地調査を行い、2ドイツ の交通関係法規・運用状況の現地調査を行う。同調査では、自動運転に関して共同して研究を行ってきたヴュルツブルク大学Hilgendorf教授の協力も併せて、ドイツ連邦(旧)デジタルインフラストラクチャー省自動車運転企画室長などの要職者へのヒアリングの機会を得るつもりである。加えて、3ドイツの技術監督者の現地ヒアリングを行う。そして、ドイツにおいて、レベル4社会実装が本格化する2023年下半期以降に、4ドイツLv.4ユースケ ース・作為義務についての現地分析(関係機関と一部自動車企業の受入承諾済)を行う。そののち、インフラ協調などの混在空間の設備体勢が整ったうえで、5製造者・運行者ヒアリング(日独WEB)を行うつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナによる影響で、実証実験・研究会への参加(旅費)が翌年に繰越になったため、翌年度に使用する。
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