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2023 年度 実施状況報告書

非理想理論としての構築主義的代表論

研究課題

研究課題/領域番号 22K13324
研究機関北海道教育大学

研究代表者

田畑 真一  北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90634767)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードハーバーマス / 批判理論 / 倫理 / 熟議 / デモクラシー
研究実績の概要

ゲーテ大学フランクフルトにおいて批判理論を巡るワークショップで報告を行った。具体的には、そこにおいて、批判理論における進歩の位置づけを巡る議論を参照点としつつ、日本の政治言説における「進歩・革新(progress)」という言葉の使用を検討した。検討を通じて、日本において進歩・革新がもつ独自の意味合いが示されると共に、政治言説で進歩が規範的に成立する条件が示された。
ハーバーマスの規範理論における倫理の位置づけを「自己実現」という観点から検討する報告、またその延長線上で現代の英米圏におけるヘーゲル研究との比較検討も行った。このことで、非理想理論下の代表を考える上で参照点となる「自己実現」という価値のもつ規範性が明らかにされた。
熟議デモクラシーを近年のデモクラシーの規範的擁護論研究の観点から検討する論考も発表した。デモクラシーに対する信頼が揺らいでいる近年の状況を踏まえ、熟議デモクラシー論も価値論からの新たな正当化論を模索すべきことを明らかにした。加えて、この論考を踏まえ、日本において熟議民主主義研究をリードする田村哲樹との対話も収録され、熟議民主主義研究にある違った可能性がそれぞれ確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

基礎となる研究は終えたが、構築主義的代表論を非理想理論という状況にどのように適用するのかという点については研究が十分には進んでいない。

今後の研究の推進方策

非理想理論という状況への適用のために、これまで検討してきた自律、疎外、自己実現といった価値についての考察を深め、適用への道筋をつける。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じたのは、昨年度予定していた海外学会での報告の申し込み時点でまだコロナについての見通しが立っていない状況であったことから、報告を延期したことに起因している。その分、今年度7月に韓国での海外学会報告を予定しており、埋め合わされる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 自律からデモクラシーを擁護する ――デモクラシーの純粋な非道具主義的擁護に向けた試論――2024

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      政治経済学会 第15回研究大会
  • [学会発表] 自律からのデモクラシー擁護論2024

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      オンライン政治理論研究会 定期研究報告会
  • [学会発表] Being Critical and Being Progressive:From the Use of the Word Progress in Japanese Political Discourse2023

    • 著者名/発表者名
      Shinichi Tabata
    • 学会等名
      Workshop Kritische Theorie und kulturelle Differenz: Ein Deutsch- japanischer Dialog 2023
    • 招待講演
  • [学会発表] 道徳と区別された倫理 ――ハーバーマスにおける「自己実現」の規範性――2023

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      日本倫理学会第 74 回大会
  • [学会発表] 人倫の必要性と道徳 ――ピピンとハーバーマスの比較検討として――2023

    • 著者名/発表者名
      田畑真一
    • 学会等名
      日本ヘーゲル学会 第3回フロンティア研究部会
  • [図書] 『政治哲学者は何を考えているのか?:メソドロジーをめぐる対話』2024

    • 著者名/発表者名
      宇野重規・加藤晋編著
    • 総ページ数
      260
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4-326-35192-3

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公開日: 2024-12-25  

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