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2022 年度 実施状況報告書

IMFの先進諸国に対する自律性――企業と国際組織の直接協力による国家のガバナンス

研究課題

研究課題/領域番号 22K13345
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 将史  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (80882878)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードIMF / 民間金融機関 / 金融危機 / 東欧 / Vienna Initiative
研究実績の概要

本研究は、「IMF(International Monetary Fund)の政策に誰の利益がどのように反映されるのか」という問いについて、新たな論理を提示・検証することを目的にしている。すなわち、国内で民間金融機関(以後PFI: Private Financial Institutions)への批判が高まり、危機対応を巡ってPFIと母国政府が対立しがちになるにつれて、PFIがIMFと独自の本人-代理人関係を形成しているという仮説を提示し検証する。
1年目である2022年度には、先進国政府をバイパスした PFI-IMF間の直接協力について定量的に分析するため、データセットの構築作業を進める予定であった。そのため、リサーチアシスタントを雇用して関連データの収集作業を進めた。しかし、PFI-IMF間協力の有無を把握する方法、母国政府との対立の有無を把握する方法等について、体系的なデータセット作成のためには調整が必要だという判断に至った。そのため研究計画に変更を加え、データセット作成方法の見直しを行いつつ、3年目から4年目に行う予定だったVienna Initiativeについての過程追跡を1年目後半から実施した。Vienna Initiativeは、2008年東欧危機における、代表的なPFI-IMF間協力の枠組みである。この過程追跡を先に行って仮説を検証することで、データセットの作成でどのような情報源を用いるべきかについても有用な知見が得られると考えている。
Vienna Initiativeについて、1年目には新聞資料や二次文献を中心に調査を進めた。結果として、仮説の通り母国政府との対立がPFIにとって大きな問題であり、IMFと協力して対応したと示唆する根拠を、間接的ではあるが得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

PFI-IMF間協力のデータセット作成について、当初の計画では主にIMFの文書に依拠して作成する予定であった。しかし作業を行ってみると、必要な情報が十分に得られない事例もあり、新聞や二次文献といった他の資料も組み合わせることを検討している。

今後の研究の推進方策

PFI-IMF間協力のデータセット作成方法の見直しをすすめる。そして、見直しに必要な期間を無駄にしないよう、当初の予定では3年目から4年目に行う予定だったVienna Initiativeについての過程追跡を、1年目に繰り上げて行っている。2年目である2023年度にも、この過程追跡を継続する予定である。
Vienna Initiativeの調査については、1年目は主に新聞や二次文献を検討したが、実際のPFIやIMFの動機については不明確な部分も多く、既存研究でも見解が対立している。そのため、2年目である2023年度にはインタビュー調査へとつなげたいと考えている。さらに、成果を国際政治学会で報告し、コメントをもとに修正していく予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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