研究課題/領域番号 |
22K13360
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
諸岡 千裕 東京電機大学, 理工学部, 助教 (90932210)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 異時点間の利得移転 / 利得集合の特徴付け / フォーク定理 / 均衡利得の計算手続き |
研究実績の概要 |
2022年度の実績の概要については、下記の通りである。
段階ゲームのプレイヤー数が3人以上の、利得が割り引かれる重複世代ゲームについては、自身の先行研究によって示されていた、プレイヤー数が2人の場合の結果を一般化することで、ほぼ同様の結果を得られた。すなわち、段階ゲームのプレイヤー数が任意の重複世代ゲームで、プレイヤー達が、1回限りのプレイでは達成できないような高い利得を得られることを示せた。この成果を、東京大学経済学研究科附属日本経済国際共同研究センターのディスカッション・ペーパー・シリーズにて公開した(CIRJE-F-1203)。
上記の結果を得るためには、利得に依存して、割引率や参加期間等のパラメーターを適切に選ぶ必要があり、それらのパラメーターが固定されている場合、均衡の形状は不明のままだった。このような場合についても、より精密な分析をするため、浦項工科大学校(大韓民国)の金大賢(Daehyun Kim)助教授の助力も得つつ研究を行った。段階ゲームを囚人のジレンマに絞って分析を行い、均衡利得を計算するための具体的な手続きを部分的に示せた。その結果を、国際学会2022 Asian Meeting of the Econometric Society in East and South-East Asia(8月10日(水)慶応大学)にて英語で発表したほか、日本経済学会2022年度秋季大会(10月15日(土)慶応大学)でも、グレーヴァ香子教授と討論を行った。さらに、他の段階ゲームに対して同様の分析を行うための基礎となる、処分可能な利得の集合の計算についても分析を行い、集合の完全な特徴付けを示せた。この結果をまとめた論文を、3月にJournal of Economic Theoryに投稿した(4月現在、査読中)ほか、arXivにて公開した(arXiv:2303.12988)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要欄に記載の通り、初年度の計画に沿って、重複世代ゲームにおける均衡について、様々な角度から分析を行い、少なくとも2本の投稿可能な論文を執筆することができた。また、学会発表の際に聴衆から多くの有益なコメントを得ることができ、研究をさらに深めるための準備ができた。したがって、2023年度は、これらの論文を改訂した上で(再)投稿したり、その成果を国内外の学会において発表したりするための環境が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
すでに執筆した論文については、その刊行に向けて、学会発表で聴衆から得たコメントや、研究協力者からの助言を取り入れた上で改訂を行い、できるだけ国際的評価が高い海外査読誌への投稿を目指す。なお、本研究課題と関連する今後の学会発表として、国際学会である2023 Africa Meeting of the Econometric Society(6月上旬)および、東京大学大学院経済学研究科附属日本経済国際共同研究センター主催・ミクロ経済学ワークショップ(7月18日(火))にて、英語で研究報告を行うことが決定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、学会やセミナーの実施形態がオンライン方式となり、開催地に赴くための旅費が不要となったためである。また、それらの研究集会において個人的に配布する予定であった、研究成果に関する印刷物を準備する必要が無くなり、コピー用紙やインク等の購入を見送ったという理由もある。2023年度には、対面形式に戻る研究集会が多くなると予想されるため、出席するための旅費や、印刷物を準備するための費用として使用する予定である。
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備考 |
上記webページにおいて、本研究の成果の一部を紹介しています。
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