研究課題
本研究では、男女間の競争選好を差を縮めるためにはどのような仕組みが効果的かを経済実験によって検証する。女性の高学歴化が進んだにもかかわらず、依然として男女間の賃金格差などジェンダーギャップが縮まらないままである。このようなギャップが生まれる要因として、管理職のようなリーダーシップを発揮するような地位に女性は就きたがらないというように、女性は男性と比べて競争を好まないということが言われている。競争参加への男女差を解消できる仕組み作りは学術的にも関心が高く、政策的にも重要である。本研究では行動経済学の知見を活用して競争参加の男女差を解消できるかどうかを検証する。本年度はアイデンティティを活用して、男女間の競争選好の差を縮めることができるかどうかを明らかにする経済実験を行った。男女1組のペアとなり、競争選好を測る実験を行った。その際、ペアの相手には性別情報だけでなく、ランダムに作成された所属集団の情報も提示した。男性は同じ集団である女性との競争を避け、女性は異なる集団である男性との競争は好む傾向が観察された。また、当初計画していた経済実験の計画の再考を行った。デフォルトナッジのような行動経済学の知見を活用して、競争選好の男女差を縮める経済実験を検討していたが、類似の研究が発表されていることに気付き、研究計画の再考を行った。
3: やや遅れている
当初計画していた実験デザインと類似の研究が発表されていることに気付いた。そのため、当該研究との差別化を図るため、実験デザインの再考を迫られ、予定していた経済実験の実施を遅らせた。
実験デザインの確定を行い、早期の経済実験の実施を検討する。実験デザイン確定後、プレレジを済まし、経済実験を実施する。実験実施後、速やかに分析を行い、分析結果を論文にまとめる。学会報告等を行いながら、ワーキングペーパーでの公表を目指し、学術雑誌へ投稿する。
当初獅子計画をしていた経済実験の実施を見送ったため、次年度使用額が発生した。速やかに経済実験のデザインを確定後、経済実験の実施を行う。
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