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2023 年度 実施状況報告書

競争参加を促す制度:経済実験による検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K13419
研究機関関西学院大学

研究代表者

黒川 博文  関西学院大学, 経済学部, 准教授 (90811430)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード競争選好 / ラボ実験
研究実績の概要

本研究では、男女間の競争選好を差を縮めるためにはどのような仕組みが効果的かを経済実験によって検証する。女性の高学歴化が進んだにもかかわらず、依然として男女間の賃金格差などジェンダーギャップが縮まらないままである。このようなギャップが生まれる要因として、管理職のようなリーダーシップを発揮するような地位に女性は就きたがらないというように、女性は男性と比べて競争を好まないということが言われている。競争参加への男女差を解消できる仕組み作りは学術的にも関心が高く、政策的にも重要である。本研究では行動経済学の知見を活用して競争参加の男女差を解消できるかどうかを検証する。
本年度は昨年度より実施していたアイデンティティを活用することで、男女間の競争選好の差を縮める実験の追加実験を行った。男女2名1組のペアとなって、競争選好を測る実験を実施する際に、ペアの相手の集団意識を提示することで、競争選好に違いが出てくるかどうかを検証した。男女ともに内集団よりも外集団とペアとなった方が競争への参加度合いは高いことが分かった。集団意識を伏せた条件と比較することによって、男性は内集団の女性との競争を避け、女性は集団意識があることでより競争への参加が促されていることが分かった。当該研究については、分析結果をまとめ、論文の執筆を行い、学会発表の申し込みを済ませた。
申請者の移籍に伴い、当初計画していた経済実験の再考に十分な時間が取れなかったため、実験の実施には至らなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

移籍に伴い、当初計画していた経済実験の再考に十分な時間が取れなかったため、実験の実施には至らなかった。

今後の研究の推進方策

アイデンティティを活用した実験については学会報告を進めるとともに論文の改訂を行い、ワーキングペーパーでの公表を目指し、学術雑誌へ投稿する。
また、当初計画の実験の研究計画を練り、確定する。確定次第、実験デザインの事前登録を行い、経済実験を実施する。その後、事前登録に基づいた分析を行い、結果を論文にまとめる。学会報告等を行いながら、ワーキングペーパーでの公表を目指し、学術雑誌へ投稿する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、当初計画していた経済実験の実施を見送ったためである。また、移籍により次年度の予定の見通しが立ちづらかったため、国際学会での発表を見送ったためである。
使用計画として、2024年度は5月に国際学会での発表が確定しているので、この国際学会での発表の旅費に使用する。また、経済実験する際の被験者謝礼と支払う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The role of nudge-based messages on the acceptability and download of COVID-19 contact tracing apps: survey experiments2024

    • 著者名/発表者名
      Kurokawa Hirofumi、Sasaki Shusaku、Ohtake Fumio
    • 雑誌名

      The Japanese Economic Review

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1007/s42973-024-00152-x

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] How Does Opt-in Work? A Field Experiment on Financial Incentives for Physical Activity2023

    • 著者名/発表者名
      黒川博文
    • 学会等名
      第26回実験社会科学カンファレンス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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