研究課題/領域番号 |
22K13492
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
五十嵐 未来 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 特別研究員(PD) (30925326)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 消費者間相互作用 / 社会ネットワーク / ソーシャルメディア / 電子商取引サイト / C2C市場 / ベイズモデル / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本研究では、消費者間の相互作用が消費者行動に与える影響の包括的解明を目指して、「社会ネットワークで繋がった他者からの影響を受けるコンテンツ生成行動」「口コミに影響を受ける購買行動」「C2Cプラットフォームにおけるユーザー行動」の3つの行動モデルを構築するプロジェクトを並行して進めていく。各プロジェクトの本年度における研究成果は以下の通りである。 まず、社会ネットワーク上の行動モデルについては、社会ネットワークを形成する行動とコンテンツを生成し投稿する行動が互いに影響し合う共進化構造を表現したモデルを構築した。さらに、モデル推定法の導出と実装を行い、シミュレーション実験でモデル性能を検証するとともに、現在は企業との共同研究により提供された実データを用いた実証分析を行っている。 次に、口コミの影響を考慮した行動モデルについては、当初の計画から若干の軌道修正を行い、社会ネットワーク上の他者の口コミが与える影響を考慮したコンテンツ消費行動をモデル化することで、前述したコンテンツ生成行動モデルの拡張モデルとして位置付けた。現在はモデルの詳細を議論している段階であり、来年度にかけて実証分析の準備を整える。 最後に、C2Cプラットフォーム上のユーザー行動モデルについては、プラットフォームにおける出品と購買という二つの背中合わせの行動に着目しており、本年度はまず購買行動のモデリングと実証分析を行った。来年度にかけては、出品行動のモデリングを議論するとともに、出品から購買、購買から出品といった同一ユーザーの異なる行動間の構造解明にも取り組む計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、各プロジェクトについて行動モデルの構築、モデル推定法の導出と実装、シミュレーション実験によるモデル性能の検証、実データを用いた分析という流れに沿って研究が問題なく進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、各プロジェクトの成果を国際学会等で発表し、参加者との議論を通して手法のブラッシュアップを図るとともに、国際学術誌への投稿を目指して順次研究成果を整理することも並行して行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの問題が長期化した影響により、国際学会がオンライン開催となり、旅費が当初予定していた額よりも少なくなった。また、翌年度は複数の国際学会で現地開催が決まっているため、次年度使用額を利用して国際学会に赴き、研究成果の発表を行う。
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