研究課題/領域番号 |
22K13495
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
竹内 真登 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (50805025)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | マーケティングリサーチ / コンジョイント分析 / 不適切回答 / 行動ログ |
研究実績の概要 |
本研究は、例えばマーケティングリサーチの回答に意図的もしくは非意図的にバイアスを与える諸要因(不注意回答、質問表現や質問形式など)を検討することで、調査結果に与える影響を把握すると共に、それらに対処することで調査精度の向上などに寄与することを目的としている。 2023年度について、まず調査回答者が無関心や低い動機付けから質問に不適切な回答を提供する問題についての研究を進めた。この研究では主に論文投稿したものの査読対応等を中心に実施すると共に、新規のデータ取得に向けてマーケティングリサーチの主要な分析手法における分析結果にどのような影響を与えるかについてレビュー、及び既存データでの分析を継続して実施している。 次に、昨年度から引き続き調査回答時の選択肢セットや事前の選択肢セットの影響により回答が変化してしまうことについての検討を進めた。これに関しては、これまで検討されていなかった選択肢セット間の影響について考慮したモデルを検討し、新たに収集したコンジョイント測定法の調査データに基づき検証した。そうしたところ、実際に説明力があることを確認でき、調査における回答行動に選択肢セット間の影響による歪みが生じている可能性が示唆された。更に上記とは別に、回答者の回答行動を変化させる可能性のある選択肢セットの影響についてもレビューやモデル検討を中心に進めた。 研究成果について、不適切回答に関する研究ではマーケティングリサーチの専門英文誌に採択され、公刊に至っている。また関連する別の研究でも査読付き雑誌に最近採択された。選択肢セットの影響に関する研究も学会報告を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査や実験についてはプレ検証などに重点を置いたことから、本検証には遅れが生じているものの、採択課題に関連した論文が査読付き雑誌への採択・公刊といった早期の進展もあったことから上記区分が相当と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、コンジョイント測定法を用いた調査や実験について一般消費者を対象とした本検証を進める。また不適切回答に関連した研究も新たに調査とログデータを取得する予定である。不適切回答は2024年度前半にデータを入手予定であるため、早期の分析と論文執筆を進めることを予定している。これらの研究について最終年度であることから早期に結果をまとめて査読誌へ投稿することを想定している。また学会報告も随時行うことで成果報告を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度、特にプレ検証などの実施とその解析に想定よりも時間がかかったこと、査読対応に研究時間を割いたことから、計画していた本検証の調査や実験を後ろ倒しすることとした(しかし、論文公刊の成果も出ていることから進捗状況は「おおむね順調」としている)。また2023年度より所属機関を異動したことから、そのセットアップに時間を要したことも理由として挙げられる。しかし、既に調査実施に向けた調整も進んでおり、早期のデータ取得等を行うことを予定している。
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