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2023 年度 実施状況報告書

合併アノマリーと会計情報に関する定量的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13511
研究機関京都大学

研究代表者

天野 良明  京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (40910914)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード合併・買収(M&A) / 合併アノマリー / 会計情報 / M&Aのパフォーマンス / 非財務情報
研究実績の概要

本研究は、合併・買収(M&A)が企業の将来業績へ与える影響について、投資家がどのように予測を行っているのかをサーベイ調査および実証分析により明らかにするものである。本年度は、経営者のナルシシズムと合併・買収(M&A)における情報開示および企業のパフォーマンスの関連性を調査した。従来の研究では、ナルシシズムと企業のパフォーマンスや開示される会計情報との関連が指摘されているが、M&Aが行われる際の経営者のナルシシズム、会計情報のトーン、そしてその後のパフォーマンスとの間の関連についてはほとんど研究されていなかった。本研究では、日本の上場企業138件のM&A取引をサンプルとして使用し、経営者のナルシシズムがM&Aのプレスリリースでの開示内容のトーンと正の関連があることを示している。また、ナルシシズムは発表後2日間の短期株価リターンと正の関連があり、一方で開示内容のトーンは発表日の株価リターンのみに正の関連が見られることがわかった。ナルシシズムと長期的な株価パフォーマンスとの間には有意な関連は観察されていないが、M&A後の会計パフォーマンスとの間には弱いが正の関連が示唆されている。本研究は、ナルシシズム、開示内容のトーン、M&A後のパフォーマンスとの間の関連性について新たな知見を提供している。さらに、M&Aに際しての情報開示がもたらす帰結について、会計基準設定主体にとっても実践的な示唆が得られる結果となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していたサーベイ調査および結果の分析に加え、追加的な実証分析が進行しており、国際学会での発表も行っている。

今後の研究の推進方策

国際学会等で得たフィードバックをもとに論文執筆を進め、国際学術誌への掲載を目指すとともに、調査・分析の過程で生じた追加的な課題についても分析を進める。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた分析の一部について, 他の研究課題と共通で実行可能なものが多く存在したことから, データベース契約料やサーベイ調査費用が不要となったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] M&Aの目的は達成されているか? 定性情報開示と業績・株価の関連性2023

    • 著者名/発表者名
      天野良明
    • 雑誌名

      M&A専門誌マール

      巻: 347 ページ: 34-37

  • [学会発表] What Causes Investors’ Misevaluation? Evidence from a Post-Merger Underperformance Anomaly2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Amano
    • 学会等名
      European Accounting Association (EAA) 45th Annual Congress
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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