研究課題/領域番号 |
22K13524
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 沙織 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (00828999)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 希少疾患 / 難病 / 患者・市民参画 / PPI / ELSI / 質的研究 |
研究実績の概要 |
2023年度は、本計画の2年度目として文献調査とインタビュー調査の実査、およびコーディング分析を行った。希少難治性疾患のELSIと患者・市民参画に関して、本年度に実施した研究の詳細について以下に記載する。 ◆希少・難治性疾患患者の研究参画に関する諸概念と政策の分析: 2022年度に引き続き、諸外国における希少疾患を中心とした患者・市民参画の政策と取り組みについて文献調査を行った。特に英国やカナダなどにおける国レベルでのゲノム研究と患者・市民参画や、CIOMSやWHOなど国際的な団体によるPPIの政策的取り組みに着目し、関係者へのヒアリング等も含めて理論的な分析の基盤的な部分となる調査を行った。 ◆希少難治性疾患の研究開発における患者・市民参画(PPI)の課題に関するインタビュー調査: 2022年度に引き続き、フェーズ2のインタビュー調査の実査を進めた。インタビュー調査の目的は、臨床研究や医薬品開発で患者をとりまく多様なステークホルダーへのインタビュー調査を通じて、日本での患者参画に関連するELSI課題の抽出を行うことである。2023年度は、国内の希少疾患の患者・家族団体、希少疾患の医薬品開発を行っている企業、希少疾患の研究者、これら3つのステークホルダーを対象にインタビューを実施した。患者・家族団体(n=3)、医薬品開発企業(n=4)、研究者(n=2)に対して共通インタビューガイドを用いたインタビューを行った。また、音声データのトランスクリプトのコーディング分析に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、前年度に検討してきた説明同意文書、共通インタビューガイドや対象者の選定、フィージビリティ調査を前提として、本格的にインタビューの実査を進めた。対面インタビューの許諾が得られた対象者には対面で、遠方の対象者にはオンラインでのインタビューを実施し、対象者のニーズに合わせた形態で実査を行った。分析についてはQDAソフトウェアを用いてトランスクリプトのコーディング分析に着手した。 患者・市民参画に関する文献調査を主にした政策分析については、諸外国で国レベルで集積と利活用が行われているゲノム研究プロジェクトの患者・市民参画や、国際的な医学研究団体によるPPIの推進ポリシーを中心に調査を進めた。国内外のゲノム研究者や政策関係者へのヒアリングと並行して、基本的な分析枠組みの検討に着手した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、インタビュー調査の分析をまとめるとともに、小規模な質問紙調査を実施する。 インタビュー実査とコーディング分析については、2024年度も継続して実施をしていく予定となっている。今後はインタビュー調査から得られた知見をもとに分析と論文化を進めるとともに、希少疾患の医薬品開発のステークホルダーを対象とした小規模な質問紙調査の設計について具体的に検討し、実査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査の実査と分析ソフトウェアの購入、英語論文の執筆などを2024年度に行う予定のため、繰越が生じた。
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