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2022 年度 実施状況報告書

台風常襲地帯の歴史社会学

研究課題

研究課題/領域番号 22K13533
研究機関同志社大学

研究代表者

水出 幸輝  同志社大学, 社会学部, 助教 (90882390)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード枕崎台風 / 災害情報 / メディア史 / 中国新聞
研究実績の概要

本研究の目的は、台風常襲地帯の戦後史を歴史社会学の視座から検討し、気象と社会とメディアの歴史を検討することにある。災害情報メディアが各時代でどのように評価されてきたのかを整理し、また、風水害の記憶がどのように継承されてきたのか(継承されてこなかったのか)、頻繁に発生した風水害が地域メディアをどのように規定してきたのか、といった問題の解明を目指す。
2022年度は特に、1945年の終戦直後に広島で大きな被害をもたらした枕崎台風について、広島市立図書館などで関連資料の調査を実施した。枕崎台風を直接的に論じる資料が多いとは言えないが、『中国新聞』の紙面調査を行い災害とメディアの関係について検討した。
まず、発災前後の時期については気象情報の流通状況を紙面で確認した。メディアの歴史研究において、終戦直後の気象とメディアの関係については、「天気予報の復活」が平和を実感させたものとして語ることが一般的である。しかしながら、広島においては原子爆弾が投下された影響もあり『朝日新聞』『毎日新聞』の代行印刷が実施されていた。このため、紙面で「天気」に触れることができたとしても、状況が異なっていたであろうことが紙面から読み取ることができる。また、メディアと災害の長期的な関係として、周年報道の有無、および、「防災の日」(1960年)の周年報道を調査した。災害認識との対応で注目すべきは、甚大な被害があった枕崎台風であってもこの時代には周年報道が成立していないということである。また、1960年以降に「防災の日」関連の記事を全国紙と同じように開始していた。これらの資料調査の成果については、今後、論文等で発表していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

設定していた資料調査はある程度順調に進めることができている。

今後の研究の推進方策

今後は、広島以外の調査地である福岡、沖縄にフィールドを広げ、研究を進めていく。同時に、資料調査によって得られた成果を論文等で発表していく。

次年度使用額が生じた理由

当初は複数の地域で調査をする予定で旅費を申請していた。しかしながら、新型コロナウイルスの関係で予定の調査が実施できず、繰り越すに至った。本年度、昨年度分の調査を併せて実施する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 「節目」の意味を考える2023

    • 著者名/発表者名
      水出幸輝
    • 雑誌名

      日本災害復興学会 News letter

      巻: 44 ページ: 4

  • [雑誌論文] 災害の来し方、行く末2022

    • 著者名/発表者名
      水出 幸輝
    • 雑誌名

      立命館生存学研究

      巻: 6 ページ: 21~23

    • DOI

      10.34382/00017664

  • [学会発表] 『〈災後〉の記憶史』を辿る2022

    • 著者名/発表者名
      水出幸輝
    • 学会等名
      日本メディア学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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