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2022 年度 実施状況報告書

高齢者に優しいまち(AFC)指標の妥当性の検証-コロナ流行を活用した自然実験-

研究課題

研究課題/領域番号 22K13558
研究機関千葉大学

研究代表者

井手 一茂  千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (40900410)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード高齢者 / Age friendly cities / 地域診断指標 / 新型コロナウイルス感染症 / Well-being
研究実績の概要

本研究では、世界保健機関(WHO)が提唱した“高齢者に優しいまち”の妥当性の検証と実証を行うべく、3つの検証課題(①Well-beingの地域差と社会参加の関連、②コロナ流行前後の社会参加増減とWellbeing増減の関連、③インターネット利用増減とWell-being増減の関連)を掲げた。
令和4年度は、課題①Well-beingの地域差と介入可能な社会参加との関連について、日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study)の2013・2016・2019年度のデータを用い、市区町村レベルで検証した。Well-beingの指標として用いた市区町村レベルの主観的幸福感8点以上割合(年齢調整済)は平均51.4%、最小39.6%、最大58.9%と19.3%ポイントの市区町村差があることがわかった。所得、教育、独居、疾病などの交絡因子を調整した上でも、市区町村レベルの社会参加割合が高い市区町村は主観的幸福感8点以上割合が高かった。また、JAGES2013・2016・2019データを用いた社会参加とWell-being指標の広範な関連を確認した論文を投稿中である。
課題②のコロナ流行の外生ショックによる社会参加増減とWell-being増減の関連の検証、課題③のネット利用増減とWell-being増減の関連の検証についてコロナ流行前後の既存データ(JAGES2020・2021調査)を用い、予備的な分析を行い、社会参加やWell-being指標、インターネット利用割合の増減を確認した。
また、令和5年度以降、課題2・3で分析に用いるJAGES2022調査の実施(参加市町村への説明会、調査設計)に関わり、必要なデータを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画に掲げていた課題①の分析は1本は掲載、1本は投稿まで、課題②、③に関しても予備分析、関連課題の学会発表まで終えることができた。令和5年度以降、使用する2022年度JAGES調査データだが、想定以上の市町村(75市町村)の参画が得られたため、分析データの構築を令和4年度内に終える予定であったが、令和5年度上半期に実施することとなった。

今後の研究の推進方策

令和5年度は課題①の投稿中の論文の掲載を目指し、JAGES2022年データの整備を進め、参加市町村への報告、課題②、③のデータ分析ができ次第、学会発表、論文執筆に着手する。

次年度使用額が生じた理由

当初計画では、令和4年度中にデータ構築を終えるための外部委託費用として計上していた。しかし、想定を超える自治体の参画によりデータ構築が令和5年度にまたがることがわかり、令和5年度にデータ構築費用として外注予定である。その他は当初計画通り、学会発表、論文の英文校正料、掲載料として用いる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Suggesting Indicators of Age-Friendly City: Social Participation and Happiness, an Ecological Study from the JAGES2022

    • 著者名/発表者名
      Ide Kazushige、Jeong Seungwon、Tsuji Taishi、Watanabe Ryota、Miyaguni Yasuhiro、Nakamura Hirotaka、Kimura Miyako、Kondo Katsunori
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 19 ページ: 5096~5096

    • DOI

      10.3390/ijerph19095096

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The relationships between social participation before the COVID-19 pandemic and preventive and health-promoting behaviors during the pandemic: the JAGES 2019?2020 longitudinal study2022

    • 著者名/発表者名
      Kimura Miyako、Ide Kazushige、Sato Koryu、Bang Eunji、Ojima Toshiyuki、Kondo Katsunori
    • 雑誌名

      Environmental Health and Preventive Medicine

      巻: 27 ページ: 45~45

    • DOI

      10.1265/ehpm.22-00154

  • [学会発表] 通いの場への参加とその後のソーシャル・キャピタル:福岡市におけるふれあいサロン参加者名簿を用いた縦断研究.2023

    • 著者名/発表者名
      井手一茂,上野貴之,辻大士,渡邉良太,斉藤雅茂,木村美也子,近藤克則
    • 学会等名
      日本社会関係学会第3回研究大会
  • [学会発表] 高齢者の新型コロナ流行前の社会参加と流行期の感染予防/健康行動:JAGES 縦断研究.2022

    • 著者名/発表者名
      木村美也子, 井手一茂, 尾島俊之, 近藤克則
    • 学会等名
      第81回日本公衆衛生学会総会
  • [学会発表] 高齢者における社会参加と生きがいの関連-JAGES2013-2016-2019縦断パネル研究-.2022

    • 著者名/発表者名
      山田彩恵,小林周平,井手一茂,中込敦士,近藤克則
    • 学会等名
      第56回日本作業療法学会
  • [学会発表] COVID-19流行前・流行中の推定要介護認定者数・介護給付費の変化:JAGES.2022

    • 著者名/発表者名
      竹内寛貴,方知恩,井手一茂,辻大士,斉藤雅茂,近藤克則
    • 学会等名
      日本老年社会科学会第64回大会
  • [学会発表] 今日の日本の格差とwell-being2022

    • 著者名/発表者名
      井手一茂
    • 学会等名
      第38回日本ストレス学会学術総会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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