研究課題/領域番号 |
22K13605
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
菊地 優子 長崎国際大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30611983)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / 腸管透過性 / オボアルブミン |
研究実績の概要 |
本研究では、食物アレルギーモデルラットを作製し、腸管透過性の視点から食物アレルギーの機序や増悪因子を明らかにすることを目的としている。 令和4年度は本研究に用いる食物アレルギーモデルラットの作製条件の検討を行った。実験動物として、高いIgE抗体産生能を有し、アレルギー疾患の研究に用いられているBNラットを用いた。食物アレルゲンとしてオボアルブミン(OVA)を用い、OVA腹腔内投与群(週に1回)、OVA経口投与群(毎日投与、隔日投与)の3群で35日間飼育したところ、腹腔内投与群でのみOVA特異的IgE濃度の上昇がみられたため、OVAの腹腔内投与により感作することとした。食物アレルギー時の食物アレルゲンの腸管透過性は、OVA腹腔内投与により作製した食物アレルギーモデルラットにOVAを経口投与し、一定時間経過後解剖して血中に移行したOVA量を測定することにより評価した。その結果、対照群では血中OVAは検出されたが、OVAを感作させた食物アレルギーラットでは血中OVA濃度は検出限界以下であった。このことから、対照群とOVA群では食物アレルゲンの吸収速度が異なることや、血中のOVA特異的IgEがELISAの測定系に影響を及ぼしたことが推測された。現在ウエスタンブロッティング等、別のOVA検出方法を検討中である。また、今後、OVAの経口投与から解剖までの時間の再検討やタイトジャンクションタンパク質の変動についても検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度の目標であった食物アレルギーラットの作製条件の確立および腸管透過性試験を行うことができたが、予定していた方法でOVAを検出することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の実験では食物アレルゲンの腸管透過性が評価できなかったため、再飼育も含めた評価方法の再検討が必要である。また、細胞間透過性の調節因子であるタイトジャンクションタンパク質の発現量についても評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった機器(恒温振盪器)を購入できなかったため、次年度使用額が生じた。令和5年度に購入を予定している。
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