• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

「食肉のこく」とは?~一般消費者が食肉を喫食した際の認識に基づく定義づけの試み~

研究課題

研究課題/領域番号 22K13608
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

渡邊 源哉  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 主任研究員 (00782179)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード食肉 / こく / 官能評価 / 油脂 / 閾値 / 三点識別
研究実績の概要

本研究は一般消費者が食肉を喫食した際にどのような成分や感覚要素から「こくがある」と認識するのか解明することにより、「食肉のこく」の科学的な指標を提案することを目的とする。
我々はこれまでに、アンケート調査から「油脂」および「うま味成分」が一般消費者の「食肉のこく」の認識に関係する可能性を示した。また、食肉の風味の官能特性の分析に鶏肉エキスを用いることが有用であることを明らかにした。
そこで本研究では、一般消費者の「食肉のこく」の認識を解析するモデルとして、油脂およびうま味成分を添加した鶏肉エキスを用いて、一般消費者による会場調査を実施し、「こく」の認識を回答させることで目的の達成を試みる。
本年度は、消費者調査に供するモデルエキスの油脂およびうま味成分の添加濃度を決定するため、訓練されていないパネリストにおける油脂およびうま味成分の閾値の算出を試みた。まず、我々の所属機関に勤務する職員から、官能評価に関する訓練を受けていない者をパネリストとして募集し、32名を得た。続いて、訓練されたパネルにおける油脂およびうま味成分の閾値を参考に、4種類の濃度の油脂A添加試料および4種類の濃度のうま味成分A添加試料を調製し、それぞれについて、油脂Aおよびうま味成分A無添加の鶏肉エキスとの三点識別を前述のパネリストを用いて行った。
結果として、油脂Aにおいては、添加濃度と識別試験の正解率のプロビット回帰分析から、鶏肉エキスにおける油脂Aの認知閾値が明らかとなった。他方で、うま味成分Aにおいては、全ての添加濃度において有意に識別されず、弁別閾値は算出できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、当初の計画通り訓練されていないパネリストを募集し、油脂Aとうま味成分Aの閾値を解析した。その結果、油脂Aについては認知閾値が算出され、消費者調査に用いるモデルエキスの添加濃度を決定できたが、うま味成分Aについては、閾値が算出できず、 モデルエキスの添加濃度を決定できなかった。

今後の研究の推進方策

訓練されていないパネルにおけるうま味成分Aの閾値が算出できなかったため、今年度はさらに高濃度を添加した識別試験を行い閾値の算出を試みる。また、前述の方法で閾値の算出に至らなかった場合には、添加するうま味成分の変更や複数のうま味成分を組み合わせての添加を行い、うま味成分添加モデルエキスを確立する。モデルエキスの調製条件を確立次第、一般消費者による会場調査の実施に向けて準備を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画通りに官能評価を実施したが、次の段階である消費者調査に用いるモデル試料の確立には至らず、これに付随して理化学分析の一部が実施できなかった。結果として、計上していた消耗品および試薬の代金と人件費について一部が支出されず、次年度使用額が発生した。各種予算は、研究の進捗に合わせて予定通り使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Analysis of sensory characteristics of chicken broths with different chicken oil content using the check-all-that-apply (CATA) questions2022

    • 著者名/発表者名
      Genya Watanabe, Shota Ishida, Shutaro Komai, Michiyo Motoyama, Anne Duconseille, Ikuyo Nakajima, Atsushi Tajima
    • 学会等名
      68th International Congress of Meat Science and Technology
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi