研究課題/領域番号 |
22K13624
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
奥田 秀巳 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50828077)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 心理的安全性 / 道徳教育 / 道徳科 / 支持的風土 / 組織行動論 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、道徳科において主体的・対話的で深い学びを実現する上で求められる、対話に際しての心理的安全性がいかにして成立するのかを理論的に明らかにすることにある。 2022年度は、A.C.エドモンドソンによる研究を中心に、組織行動論における心理的安全性の概念に関する先行研究を整理し、心理的安全性と道徳科における学びとの関わりを考察した。2023年度は前年度に引き続き、心理的安全性の概念を先行研究を手がかりにして考察し、道徳科の実践に寄与する教育実践のあり方を主に学級経営に注目して考察した。その過程で、心理的安全性に関連する「支持的風土」の概念に注目して、その先行研究を考察し、心理的安全性との関連性、安心して対話的に学ぶことのできる環境づくりの具体的な方法について考察した。特にこの支持的風土の概念について研究を進める際には、片岡(1975)や大塚(1977)における研究を手がかりにした。本研究を進める中で、心理的安全性と支持的風土の概念がいずれも組織行動論の研究の文脈において理解することができるということ、それゆえに支持的風土の研究が心理的安全性の研究に一定程度応用可能であるということが明らかになった。 こうした研究の成果は、『国際地域研究Ⅵ』に所収の論文において明らかにするほか、研究発表および教職員向けの講習などの場において明らかにしている。そのほかに、哲学対話の実践を通して、いかなる環境が対話的な学びを促進するのか確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
心理的安全性の概念を先行研究を手がかりにして考察し、道徳科の実践に寄与する教育実践のあり方を考察し、論文や研究発表の形で明らかにする事ができた。継続して研究を進め、最終的な成果を論文として発表したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
心理的安全性に関連する「支持的風土」の概念に注目し、協働的な学びの環境づくりが、道徳科の実践とどのように関連するのか明らかにしていく。前年度に続き継続して研究を進め、最終年度となる本年度は、最終的な成果を論文として発表したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度、研究に必要となる資料はおおよそ文献複写によって手に入れることができた。本年度はさらに研究資料として複数の書籍が必要となる予定であり、次年度使用額については、主に必要となる資料の購入費用として利用したいと考えている。
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