• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

幼児期の教育と小学校教育の連携に関する比較教育史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13633
研究機関東京成徳短期大学

研究代表者

永井 優美  東京成徳短期大学, その他部局等, 准教授 (30733547)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード幼小連携 / 進歩主義教育 / カリキュラム開発 / 初等教員養成
研究実績の概要

本研究は、学びの連続性の観点から重要である幼小連携が日本ではなぜ進展しないのか、その要因を比較教育史的手法によって解明することを目的とするものである。 日本において、幼小連携の概念が生起した1900年代から、アメリカ幼児教育の影響を強く受けてきたことから日米間の影響関係について着目して検討したい。具体的には本研究では幼小連携カリキュラムと養成の一体化を軸に学びの連続性を保障するための幼児期の教育と小学校教育の連携に関して検討する。
本研究においてはアメリカから日本にいかなる経路によって教育情報が導入されたか、そのプロセスを詳細に検討することに意義があると考えている。とりわけ、アメリカとは異なる日本という土壌に導入した情報をいかに適応させていったかについて検討することが日本に幼小連携が定着しなかった要因を解明する鍵となると言えよう。
そのプロセスを検討するため、本年は特に戦前日本に普及した幼小連携に関する教育情報の全体像を把握することを第一の課題とした。戦前期の教育雑誌を広く閲覧し、幼児教育雑誌のみならず初等教育全体に関連する雑誌記事を収集した。膨大な情報量があるため、初年度においてそれらをすべて収集することはできなかった。次年度以降も戦前日本の幼児教育の実際を解明していきたい。
第二に、1900年前後のアメリカ進歩主義教育の中で、幼小連携の概念が生起し、子ども中心の思想のもと、幼小連携カリキュラムの開発が行われたことから、アメリカでの幼小連携の動向を検証する作業を行った。当時のアメリカの歴史的資料を読解しながら、アメリカで行われた幼小連携の実際を確認した。次年度は特に進歩主義者によるカリキュラム開発の内容分析を行いたい。
初年度にあたる本年度は調査を主に行った。次年度も同様の調査を継続しつつ、学会誌等に研究の成果を公表していきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度は9月まで産休・育休を取得していたため、10月より本格的に調査を開始した。10月以前から研究の構想や調査の事前準備を行っていたが、育児(居住地自治体の規定による2歳児クラス幼児の育休退園)および新生児(病児)介護の合間の作業となったため、予想していた以上に作業に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

日米間の幼小連携に関する教育情報受容のプロセスを検討するため、第一に、昨年度中心的に行った戦前日本に普及した幼小連携に関する教育情報の収集を引き続き行う。第二に情報源であるアメリカの1910年代から20年代における幼小連携カリキュラム開発と初等教員養成の実態を調査する。
1900年前後からアメリカでは進歩主義教育の中で、幼小連携の概念が生起し、カリキュラムの開発が行われた。International Kindergarten Union(IKU)などの保育団体において、モデルとなる幼小連携カリキュラムが作成されたが、その実態は明らかにされていない。筆者はすでに同団体の設立目的や保育者養成に果たした役割について解明しており、本研究においてはさらに当該団体による幼小連携への影響について検討したい。そのことなどを通して、アメリカの当時の幼小連携に関する教育情報の生成について明らかにしていきたい。とりわけ、進歩主義者によるカリキュラム開発の内容分析を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

年度末に雑誌記事複写の収集を行った影響で、使用額の見込みが立てづらく、次年度使用額が生じた。次年度は雑誌記事の複写にこれを使用する計画である。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi