研究課題/領域番号 |
22K13634
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 弥生 北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (10929136)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 協同 / 地域づくり / 社会教育 / 地縁自治組織 / 自治 |
研究実績の概要 |
本研究は、地域運営に課題を抱える現代の農山村において、マイノリティを含めた多様な属性の住民に自治への参画を保障するための社会教育的支援のあり方を解明することを目的として、多様な住民の参画を推し進めようとする地縁自治組織づくり、及びそれに向けた実践を有する事例に着目し、地域住民の主体形成過程を学習の視点から検討するものである。 研究期間一年目は、第一に、農山村地域のマジョリティ側でありつつもケアを必要とする存在へと移行していく「高齢者」に着目して、高齢者が地域づくりに参画し、他のアクターと関係を構築していくプロセスを検討した。具体的には、新潟県の中山間地域にあるNPOを事例に、NPOのメンバーである高齢者3名に聞き取り調査を行った。分析の結果、高齢者は加齢に伴い、他のアクターとの学び合いや助け合いを通して、コミュニティの中での役割を変えながら協同を進めていたことが明らかになった。この成果については、専門学会で論文投稿を行った。 第二に、青年の立場から地域社会に参画していく実践について、ケーススタディを進めた。本年度は予備調査として、A県の青年団活動についての調査と活動の見学を行った。また、社会教育主事に対して、青年団活動の参加者がどのように地域社会の活動に関わっているのか、また、その活動を社会教育主事が支援しているのか、聞き取りを行った。加えて、A県の地域特性や社会教育行政について、基礎的情報の収集と整理を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にしたがって研究を進めることができた。2つの調査対象のうち、1つについては論文にまとめることができた。また、2つ目の調査対象地域の予備調査(聞き取り調査や地域資料の収集)も進めることができた。全体として順調に進展しているといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、予備調査の結果に基づき、青年による地域づくり実践に関する現地調査を継続する。さらに、研究計画に基づき地縁自治組織におけるマジョリティ側に関する調査に着手する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響によって、現地調査の延期及び学会・研究会のオンライン実施となり、調査と学会参加に係る経費の支出が予定より少なくなった。 2023年度は、これまで行えなかった現地の資料収集と整理の作業を追加し、その費用に2022年度の繰り越し分を充てる。
|