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2023 年度 実施状況報告書

包摂規範が醸成・維持される教育実践・教育経験の社会学的探究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13647
研究機関東京学芸大学

研究代表者

伊藤 秀樹  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80712075)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード包摂規範 / 普遍的な再分配 / 問題の公共化 / 教育実践 / 教育経験
研究実績の概要

本研究では、困難に直面する人々を含めたすべての人々の包摂につながる普遍的な再分配や問題の公共化などの規範(以下、包摂規範)が子どもたちに醸成され、卒業後も維持されるような教育実践・教育経験のあり方を明らかにし、従来の教育社会学の課題を乗り越える包摂策を提案することを目的としている。当該年度は、主に以下の2点についての研究を進めた。
第1に、学校経験が包摂社会の担い手を生み出すプロセスについての追加インタビュー調査と論文の執筆である。福祉系分野を専攻する大学生1名に対して追加のインタビュー調査を実施し、前年度に実施した大学生11名へのインタビュー調査の結果と合わせて、小学校から高校までの学校経験が大学で福祉を学ぶという進路選択につながるプロセスについて分析を行った。そして、分析結果をもとに学校経験が包摂社会の担い手を生み出すプロセスについて考察し、①接触仮説、②ケアリング仮説、③教師の支持仮説、という3つの仮説を導き出した。本研究の成果をもとにした論文は、2024年6月発行予定の『東京学芸大学論叢』第2号(査読有)に掲載されることになっている。
第2に、困難に直面する子ども/若者の包摂を志向した教育実践を行う学校への訪問調査である。中学校や高等専修学校への訪問を行い、授業の参与観察や教職員へのヒアリングをもとに、困難に直面する子ども/若者の包摂に向けた課題や教育実践の多様性を理解することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度に実施予定であったインタビュー調査の論文化を無事に達成し、今後の学校への訪問調査や若年層へのWeb調査の土台となる仮説を見出すことができた。また、学校への訪問調査にも着手することができた。

今後の研究の推進方策

4月から9月の半年間、育児休業を取得しているため、その期間は研究に着手することが難しい。そのため、研究の進捗は予定より遅れていくことが見込まれるが、10月以降に可能な範囲で学校への訪問調査を再開するとともに、若年層へのWeb調査に向けて先行研究の探索と質問項目の検討を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

配偶者の妊娠・出産により、遠方への出張を伴う訪問調査や学会出張をとりやめ、訪問調査を日帰りが可能な範囲に限定したため、当初の計画より旅費の支出が大幅に少なくなった。今後、訪問を希望している遠方の学校への訪問調査を実施し、Web調査を予定の規模で実施すれば、今年度までの残額はすべて執行される見込みである。

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公開日: 2024-12-25  

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