研究課題/領域番号 |
22K13657
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
今井 聖 琉球大学, 教育学部, 講師 (40907515)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 法務教官 / 専門職 / 職業的社会化 / 矯正教育 / 非行少年 / 少年院 |
研究実績の概要 |
2022年度は新型コロナウイルス感染症の拡大状況の影響が残り、予定していた対象者へのインタビュー調査が延期されるなど、当初計画よりもやや遅れた進捗状況となっている。しかしながら、次年度以降の調整はすでに完了し、今後はインタビュー調査も実施できる予定である。結果的に2022年度は、以下で記すように、インタビュー調査の準備としての文献調査等の作業が中心となった。 本研究では、(1) 法務教官の実践に関係する制度・社会的条件を明らかにするための資料調査、(2) 法務教官へのインタビュー調査、(3)専門職論や職業的社会化論を中心とする理論研究という3つの課題に取り組むことで、法務教官の専門性とは何かを解明することを目指す。 2022年度は上述したように(2)法務教官へのインタビュー調査については十分に実施することができなかったものの、複数の元法務教官を対象にした聞き取り調査を実施することができた。さらに、法務省の矯正研修所を参観調査するとともに、法務教官の研修を担当する教官らから日々の研修活動等についての聞き取りを行うことができた。 (1)に関しては、『刑政』等の専門誌掲載記事、『矯正教育関係者によって生きられた矯正教育史:昭和52年の矯正局長依命通達を中心とする聞き取り調査史料集』(岩田一正ほか編、2017年)等の資料、『苦しみと喜びと:矯正職員処遇体験記』等の関連書籍を収集・整理する作業を行なった。 (3)に関しては、主として国内における専門職研究(前田 2023、白旗 2011、橋本 2008など)をレビューする作業を行ない、同時に、理論的検討を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、法務教官へのインタビュー調査と関連する資料調査に取り組むと同時に、専門職論や職業的社会化論の理論的見地から考察を加えることで、法務教官の専門性とは何かを解明することを目的とするものである。 この目的のもと、上述したように(1)資料調査、(2)インタビュー調査、(3)理論研究に取り組むが、現在までのところ、(2)インタビュー調査に関しては新型コロナウイルス感染症の拡大状況の影響が残る社会情勢上、当初予定よりも遅れたかたちになっている。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 法務教官の実践に関係する制度・社会的条件を明らかにするための資料調査、(2) 法務教官へのインタビュー調査、(3)専門職論や職業的社会化論を中心とする理論研究という3つの課題に関して、次年度では、これまでの準備状況を踏まえて、(2) インタビュー調査を中心として研究を遂行する。 まず、法務教官という職業の担い手として経験豊かな引退世代への聞き取り調査を実施し、その後、現役世代へも聞き取り調査を実施する予定である。法務省矯正局との調査協定・ガイドライン等を取り交わすことも必要な作業となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大状況の影響を受けて、当初予定していた対象者へのインタビュー調査が延期された。 次年度使用額のうち相当額を、当初予定していた対象者へのインタビュー調査にかかる経費に使用する。
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