• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

初産婦に特化した妊娠期からの切れ目のない子育て支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K13669
研究機関秀明大学

研究代表者

美濃口 真由美  秀明大学, 看護学部, 講師 (40817889)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード初妊婦 / 困難感 / 尺度開発 / 影響要因
研究実績の概要

1989年に合計特殊出生率が1.57となり,少子化問題がクローズアップされた.核家族化の 進行や都市化,女性の社会進出等によって,子どもを産み育てる環境が大きく変化したこと で身近に子育てをしている人を見たことがない世代が初めての育児を行うことでの孤独感や 育児不安が指摘され,少子化対策が本格的に始まった.これまでの少子化対策から,地域での子育て支援施策や子育て環境の整備が強化されてきたが,依然として児童虐待などの育児上の問題は後を絶たたない.児童虐待の背景の1つとして考えられる産後うつの有病率は,産後1ヵ月では約15%であり,初産婦は経産婦に比べて有意に高いことが明らかになっている.しかし,産後1ヵ月の初産婦の育児困難感に影響する要因は十分に明らかになっているとは言えない.
本研究では,初妊婦の心理・社会的要因が産後1ヵ月の初産婦の育児困難感に及ぼす 影響を前向きコホート研究(妊娠後期:妊娠28週から41週と産後1ヵ月)から明らかにし,初産婦に特化した妊娠期からの切れ目のない子育て支援プログラムを開発することである.
産後1カ月の初産婦の育児困難感に影響する要因および共分散構造分析で明らかになった因果モデルを基盤とし,初産婦に特化した妊娠期からの切れ目のない子育て支援プログラムを開発する.
2023年は、初妊婦の困難感と困難感への対処行動を明らかにすることを目的に首都圏にある出産施設で妊婦健康診査に来院した初妊婦73名(有効回答率92.4%)を対象とした無記名自記式質問紙調査を実施した。調査期間は、2023年7月1日~9月30日までであった。本調査の結果から初妊婦困難感尺度を開発する上での基礎的資料を得ることができた。
2024年度は、初妊婦の妊娠期困難感尺度の信頼性・妥当性の検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,初妊婦の心理・社会的要因が産後1ヵ月の初産婦の育児困難感に及ぼす影響を前向きコホート研究から明らかにし,初産婦に特化した妊娠期からの切れ目のない子育て支援プログラムを開発することである.
2023年は、初妊婦の困難感と困難感への対処行動を明らかにすることを目的に首都圏にある出産施設で妊婦健康診査に来院した初妊婦73名(有効回答率92.4%)を対象とした無記名自記式質問紙調査を実施した。調査期間は、2023年7月1日~9月30日までであった。本調査の結果から初妊婦困難感尺度を開発する上での基礎的資料を得ることができた。

今後の研究の推進方策

2024年度は、初妊婦の妊娠期困難感尺度の信頼性・妥当性の検討を行う。本研究では、Bayrampour,et.al.の妊娠に関連した不安の概念分析から導出された定義を参考に、本研究における初妊婦の妊娠期困難感を「妊娠や出産・産後に関連する過度の不安、身体症状を伴う苦痛、および胎児との愛着形成に関連する心配」と定義し、初妊婦の妊娠期困難感尺度の開発を目指す。加えて、臨床で簡便に測定したあとにアセスメントや介入指標として活用できるよう、回答への偏向を防止して、多面性を保ちつつも容易に実施できるように項目数をスリム化して尺度化することを試みる。
尺度の構成概念は、文献検討および質的研究、筆者の経験から検討した。尺度項目は、文献検討、質的研究、ブレインストーミング、筆者の経験から抽出した。抽出した項目は、文脈の意味が明確でわかりやすいもの、意味内容が同じものは集約またはどちらかを選択し、構成概念に則してカテゴリー化したものを尺度原案とした。尺度原案は、母性看護学の大学教員、臨床助産師数名に内容妥当性の検討として、構成概念を最もいい得ている尺度項目の選択を依頼し、ブレイン ストーミングとプレテストから内容妥当性検討した。
初妊婦の妊娠期困難感尺度の信頼性・妥当性の検証の調査は、首都圏にある協力の得られた出産施設で妊娠20週以降の妊婦健康診査に来院した初妊婦350名を対象とし、2024年7月1日~2025年3月31日期間で実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究当初より経費の使用が節約できたことによって未使用額が生じた。今後、2つの縦断研究の調査費用、国際学会での発表費用に活用していく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ICMバリ大会2023レポート バリ大会でのポスター発表とバリ島の医療視察2024

    • 著者名/発表者名
      美濃口真由美
    • 雑誌名

      助産雑誌

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 産後1ヵ月の初産婦の育児困難感への対処行動2023

    • 著者名/発表者名
      美濃口真由美
    • 学会等名
      母性衛生学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi