研究実績の概要 |
令和5年度は,令和4年2月に「子どもの行動に対する問題意識」,「自己受容尺度(櫻井,2013,2014)を使用して3歳から5歳を担任する保育者に対して実施したインターネット調査の分析を行った。717人から回答があり,697人を分析対象とした。属性内訳について,職種は,保育士319人,幼稚園教諭213人,保育教諭165人であった。性別は男性32人,女性665人であった。年齢は,20代231人,30代237人,40代144人,50代69人,60代16人であった。保育経験年数は,5年未満187人,5年以上10年未満227人,10年以上283人であった。 回答から得られた「子どもの行動に対する問題意識(第1因子11項目:個別対応,α=.86,第2因子7項目:他者との関係,α=.81)」から,「保育者の自己受容(7項目,α=.91)」第1因子「個別対応」と「保育者の自己受容」の関連を検討するため,経験年数,自己受容を説明変数,個別対応を目的変数として階層的重回帰分析を行った。結果として,自己受容低群において,経験年数が低い保育者より高い保育者の方が,問題があるとの見方をすることが有意に多くなっていた(b=-1.28,SE=0.46, t (693)=2.78, p= .006)。 次に,第2因子「他者との関わり」と「保育者の自己受容」の関連を検討するため,経験年数,自己受容を説明変数,他者との関係を目的変数として階層的重回帰分析を行った。結果として,自己受容高群において,経験年数が高い保育者の方が,問題があるとの見方をすることが少ないことが明らかになった(b=0.94,SE=0.29, t (693)=3.25, p= .001)。
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