研究課題/領域番号 |
22K13680
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
鈴木 美枝子 玉川大学, 教育学部, 教授 (30638218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 成長曲線 / 発育 / 発達 / 保育 / 幼児教育 / 学校保健 / 活用 / 支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保育・幼児教育現場において、成長曲線の活用状況を把握し、子どもの発育発達状況に合わせた保育・幼児教育を展開するとともに、子どもの発育発達に配慮した支援のあり方について明らかにすることを目的としている。 今年度は、保育・幼児教育現場における成長曲線の活用状況についての調査を実施するため、調査項目の選定に向けての予備調査としてのヒアリングを実施した。その中で、一部の保育所・こども園では、給食管理システムと連動した園児管理システム等を利用して、子ども一人一人の身長・体重などの成長曲線を作成していることが明らかになった。しかし、保育・幼児教育現場での成長曲線の活用については、保護者に単に成長記録として提示したり、成長曲線を作成はしても保護者には特に提示していなかったりと、活用が有効になされていない状況などが明らかになった。 一方、成長曲線の活用については、2016年度より学校保健安全法施行規則の一部が改正され、児童生徒の発育を評価するために積極的に活用することが重要になることが明記されたことに伴い、児童生徒を対象とした学校健診での活用は進展してきている。よって、当初の予定にはなかったが、既に活用実績のある小中高の学校種での活用についてもヒアリングを実施することで、保育・幼児教育現場での活用の調査項目に反映できるのではと考えた。 小中高に関しても、学校によって成長曲線の活用状況はさまざまではあるが、校務支援システムと連動した保健業務管理システム等を利用し、多くの学校では成長曲線を作成し、学校医等と連携しながら活用している実態が明らかになった。 小中高へのヒアリング調査で確認できた実施内容も参考にしながら、乳幼児を対象とした保育・幼児教育現場での活用については、さらにヒアリングを重ねる必要があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、新型コロナウイルス感染症蔓延のため、保育・幼児教育現場において、実際に訪問しながら現状を把握することが困難であった。その結果、予定した通りには、保育・幼児教育現場に訪問することはできていない。しかしながら、オンライン等を利用し、現状について可能な範囲でヒアリングすることはできた。 保育・幼児教育現場での成長曲線の活用については、今後の課題となる部分が多いことがヒアリングにより明らかになったため、研究計画の段階では予定していなかったが、まずは実際に活用実績のある小中高での成長曲線の活用状況を新たに確認することとした。その結果、さまざまな学校種における成長曲線の活用状況について、知見を得ることができた。それらの知見は、今後、保育・幼児教育施設での成長曲線の活用状況の調査の際に参考にすることができる。 コロナ禍ではあったが、オンライン等を利用しながら可能な方法でヒアリングを行い、保育・幼児教育施設だけでなく、既に成長曲線の活用実績のある小中高の活用状況についてヒアリングすることができたため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、コロナ禍での研究活動であったため、ヒアリングはすべてオンライン等での実施となった。そのため、詳細なシステム環境等については実際には確認できていない部分もある。またコロナ対応によって多忙を極める保育・幼児教育現場に、ヒアリングのための時間を割いていただくことが難しく、十分なヒアリングができたとは言い難い。 よって、2023年度も継続してヒアリング調査を行い、保育・幼児教育現場および小中高での成長曲線の活用状況について検証していく。そのうえで、量的調査に向けた調査項目選定を行う。 また、保育・幼児教育施設での成長曲線の活用法の具体的な事例については、成長曲線からわかる発育の状況を、保育者等がどのように把握し、その子どもの発育をどのように捉え、それをどのように保育・幼児教育に活かしていくのかについて、保育者等へのインタビュー、及び、保育者等自身の日常の記録等から検討していく。 2023年度は、成長曲線で気になる発育状況にある乳幼児に対して、どのような保育・幼児教育を実施しているのか、保育者等を対象にインタビュー調査を実施する。その数か月後、保育者等の子どもへのかかわりの変化、保護者へのかかわりの変化、子ども自身や保護者の変化の有無等について、再度インタビュー調査を実施する。インタビュー調査の結果と、その時点での成長曲線の状況とを照らし合わせて、成長曲線を活用した保育・幼児教育のあり方や、子どもや保護者への支援のあり方について検証していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、コロナ禍であったため、保育・幼児教育現場に直接伺ってヒアリングをすることが難しく、すべてオンライン等遠隔で実施した。その結果、予定していた交通費などを使用せずに研究を進めることができた。 2023年度は、実際に現地に向かい、オンライン上では把握しきれない状況を把握することを含め、詳細なヒアリングを実施する予定である。 また、保育・幼児教育現場での成長曲線の活用状況の変化を調査するために、複数回の訪問を予定している。その際の交通費等にも充当することを予定している。
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