研究課題/領域番号 |
22K13683
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研究機関 | 花園大学 |
研究代表者 |
笹谷 絵里 花園大学, 社会福祉学部, 講師 (50847465)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 子ども / 親子関係 / 母子一体 / 沖縄 / 優生保護法 |
研究実績の概要 |
本研究は、第二次世界大戦後の沖縄が、米軍統治下において、本土と異なる政策や制度が実施され、本土の母子政策とは異なる親(母)子関係が成立してきたことを明らかにすることを目的としている。沖縄では、1956年に本土とは異なり優生保護法が廃止されるなど、「産むこと・育てること」について本土とは別の政策・制度が実施されてきた。このなかで、母(親)と子を別のものとして考える視点が根付いていると考えられる。それは、子どもを持つことや産むことにどのような影響を与えたのか/いないのかを歴史資料の検証とインタビュー調査の両面から明らかにする。 今年度は、沖縄での資料収集を中心に実施した。沖縄では第二次世界大戦以前より家族のつながりが重要視され、トートーメという祖先崇拝や祭祀継承について女性団体からの反対運動が戦後実施され「男女の平等」について祭祀についても議論され、女性の祭祀への参加が本土よりも先に問題として取り上げられている。 他にも沖縄では保育園、学童保育の数が多いものの主婦(兼業・専業)の割合は多かった。一方で、幼稚園の割合は少なかった。設立母体を見ると本土には多い仏教系の幼稚園が少なく、キリスト教系幼稚園の割合が高いことが明らかになった。また、米軍従事者との子どもを持つシングルの女性も多く、国籍に関する点からも「産むこと・育てること」に違いがある可能性が示唆された。今後、これらかの文献を分析し、母子を一体と考える、規範的な家族像が目指されてこなかった歴史を明らかにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、沖縄の優生保護法の成立と廃止がどのような経緯を経たものであったのか、さらに、沖縄県で戦後実施されてきた母子政策について、沖縄県立公文書館、沖縄の古書店を中心に資料調査を実施した。 2022年から2023年3月まで、順調に研究を遂行できた。現在沖縄で収集・購入した資料の分析を実施している。今後、分析した資料について学会発表や論文につなげていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、ひとり親へのインタビュー調査を実施し、沖縄における家族関係・親子関係および子どもを産むこと・育てることに関する認識や意識について調査を実施する。また、すでに調査を実施したインタビュー調査および資料調査の結果を原著論文として投稿する。加えて、祭祀や保育の状況、女性運動などにも視点を広げ調査していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、予定していた調査が実施できなかった ため、次年度使用予定である。
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