研究課題/領域番号 |
22K13689
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
玉腰 和典 富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (60797174)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 体育科教育 / 戦術・技術 / 認識形成過程 / 思考スキル |
研究実績の概要 |
本研究は、体育科教育における戦術・技術認識の形成過程における思考スキルの実証的解明を目的として、3つの研究課題に着手する。本年度は、【研究I】として、体育科教育における 戦術・技術学習で獲得すべき思考スキルを検討し、分析枠組みとなる思考スキルのカテゴリ ーを構築することを目標とした。主な方法は、体育実践および実践記録の分析により、体育授業で活用される思考スキルを解明することとした。具体的には小学校および中学校の縄とび運動の授業における課題解決学習場面を対象にして、順序づけ、比較、分類、関連づけ、多角化、理由づけ、要約、定義、焦点化、具体化、抽象化、構造化、推論といった思考スキルがどのように活用されているのかを探究した。その際、事前に仮説的に設定した認識形成過程のモデルに対応させ、実態・課題・方法の3つの認識対象との関連を考察した。結果、実態分析においては、「順序づけ」、「構造化」、「焦点化」、「比較」による運動の仕方の把握がみられた。課題・方法分析においては、成功失敗の「理由づけ」「関連づけ」やその「多角化」による分析がみられた。特に、縄とび運動のように連続的で道具操作をともなう複雑な動きの場合、実態分析においては、「関連づけ」や「順序づけ」による「構造化」、課題・方法分析においては、「焦点化」による「理由づけ」が有効に活用されていた。また、運動遂行場面、学習指導場面、分析活動場面といった学習指導場面によって、共通点・相違点がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、小学校と中学校の2つの授業分析や実践記録分析をすることで、認識形成過程における思考スキルの分析を実施できた。しかし、分析カテゴリーを構築するためには、異なる教材でのさらなる分析を必要とする。特に球技関係の教材の分析が不可欠となる。球技教材の授業分析もふくめて、分析カテゴリーを構築していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、体育科教育における戦術・技術認識の形成過程における思考スキルの実証的解明を目的として、3つの研究課題に着手する。本年度は、【研究II】で必要となる、分析枠組みとなる思考スキルのカテゴリ ーの構築が不十分となった。そこで、実践記録の分析や、協力学校との連携による球技系の授業分析をしながら、分析枠組みとなる思考スキルのカテゴリーを構築する。
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