研究課題/領域番号 |
22K13712
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
澤口 哲弥 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (50894193)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 国語科CR / 授業メソッド / 高等学校 / 社会への接続 / 自主教材の開発 |
研究実績の概要 |
国語科CRメソッドの指導理論を精緻化するとともに、メソッドによる授業を実施し、その成果と課題を検証した。また、国語科CRメソッドガイドブック(仮称)に掲載する自主教材の開発にかかる活動も具体化させた。 指導理論については、マクロ・アプローチ、ミクロ・アプローチ、インタラクティブ・アプローチの三つのアプローチからつくる授業について理論化し、指導方略としての新しい指導案(国語科CR授業構想マップ)を提案するなど、具体的な授業の構築方法についても示した。 検証のための授業は2024年1月に三重県の公立高等学校で1週間実施した。小説テクストを教材としミクロ・アプローチの検証を主な目的とした実践を行った。位置づけとしては国語科CRメソッドの指導理論の最終的な確認の授業であった。 自主教材開発は、既存の教科書教材ではないテクストを選び出し、国語科CRメソッドに基づく学習指導案を提案する企画であるが、研究協力者との協働によって検討を重ね、詩・小説・評論について選定、学習指導案の素案をまとめることができた。それぞれのテクストの原文については著作権者の掲載許諾をとり、ガイドブックへの掲載の準備も進めた。 上記のうち、理論構築、および授業調査については、全国大学国語教育学会(第144回・島根大会、第145回・信州大会)において口頭発表をした。また成果と課題は、神奈川大学心理・教育研究論集(第54号、第55号)等にまとめた。研究の遂行に当たっては研究協力者との定期的なミーティングを対面で行い(6月、8月、12月、3月)、理論の定着、軌道修正を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の遂行には、各年度の始めにそれぞれの年度の計画表を作成し、研究協力者と共有しているが、今年度もほぼその計画通りに遂行することができた。ただし、2024年の10月には国語科CRメソッドガイドブック(仮称)を冊子として印刷して頒布予定であるが、この原稿の執筆については予定よりやや遅れている。ただ、学会での発表(全国大学国語教育学会)や紀要への投稿(神奈川大学心理・教育研究論集)で研究の進捗をまとめていること、また自主教材の原稿執筆はおおむね順調であることなどから、次年度前半には挽回できると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、6月、8月に研究協力者とのミーティングを行い、自主教材集の内容の検討、ガイドブックの原稿の検討を行う。8月下旬に入稿予定。また、完成したガイドブックを携え、10月開催の全国大学国語教育学会(第147回)で研究協力者の教諭4名とともにラウンドテーブルに参加、発表し、成果と課題を報告する。ガイドブックは関係団体等に頒布し、一層の理論の普及に努める。このほか、2024年1月に実施した授業調査の報告を5月に開催の全国大学国語教育学会(第146回)で口頭発表する予定である。 これらの遂行に関しては、綿密かつ具体的な計画を2023年度末に策定しており(2024年3月のミーティング時に提案、協議済み)着実な研究の遂行の道筋を作っている。
|