研究課題/領域番号 |
22K13723
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
朴 源花 東京大学, 大学総合教育研究センター, 助教 (40938940)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | FD / プレFD / 韓国 / 高等教育 / 国際比較 / 教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本と韓国の研究大学にて実施されている「大学教員準備プログラム」の最新動向を追い、それぞれのプログラムの不足を補う相互補完的モデルの構築を目指すことである。 そのような目的を踏まえ、令和5年度は、以下のような作業を行った。まず、令和4年度から実施した日本の事例大学Aの大学教員準備プログラムにおいて、継続して調査を実施した。昨年度の参与観察に加え、効果測定のための事前事後のアンケートを実施し、事後においては希望者に対してインタビュー調査を行った。したがって、満足度を計測する量的データだけでなく、その回答を裏付ける詳細な質的データが揃ったことになる。日韓比較の研究以前に、そもそも日本国内の先行研究において、プレFD受講者に対するナラティブなインタビューデータはその蓄積が十分といえない。そのような点から、2年にかけた継続的な事前事後の調査およびインタビューの実施は、FD研究において極めて重要な意義を持つものと考える。 次に、韓国の事例大学Bの大学教員準備プログラムにおいて事前事後の満足度データを入手し、二か国間の比較調査に向けた意見交換を行った。また、オンラインでのミーティングを行い、プログラム企画者に対するインタビュー調査を実施した。 類似した状況を抱えつつも、その比較が十分行われてこなかった日韓の事例の比較は、日本の大学教員準備プログラムの促進において有意義な示唆を与えるものであるが、そのための基礎的な作業を概ね完了することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
両国のプログラムの内容を綿密に分析すると同時に、履修生および授業実施者/運営者に対する調査を実施することができたことから、当該年度にに予定していた内容を概ね実施することができたと考えている。ただ、コロナ禍以降調査対象校における状況の変化を踏まえ、一部研究計画の変更を行った。具体的には、韓国の大学における実地調査を次年度以降の作業とするものである。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、日韓プログラムの比較分析に注力する。また、韓国の大学への実地調査も行い、昨年度に実施したZoomにおけるインタビューに加えて、今年度は教育施設の視察や実施プログラムの内容についても参与観察を行う。 また、夏には比較シンポジウムを開催することで、調査者本人の観点をこえた、幅広いフィードバックを得たい。そのうえで、両大学それぞれのプログラム改善に向けてさらに考察を深めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象校における状況の変化(コロナ禍以降対面授業の再開や、大学における新規事業の立ち上げなど)を踏まえ、一部研究計画の変更を行った。具体的には、韓国の大学における実地調査を次年度以降の作業とスケジュール調整を行った。したがって令和5年度には旅費および謝金分が発生せず、次年度での使用を予定している。
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