• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2024 年度 実施状況報告書

占領下沖縄の大学における学生支援の導入プロセスとその歴史的意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K13727
研究機関香川大学

研究代表者

蝶 慎一  香川大学, 教育推進統合拠点大学教育基盤センター, 准教授 (50781548)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード占領下沖縄 / 琉球大学 / 学生支援 / ミシガン・ミッション / ミシガン州立大学 / 比較占領教育史 / 戦後沖縄高等教育改革 / 史資料調査
研究実績の概要

本研究は、占領下(米国統治下)沖縄の琉球大学における学生支援の導入に至るプロセスの諸相とその歴史的な意義を再検討することを目的として遂行してきた。
関連する国内外の先行研究の知見に加え(【課題①】)、2023度に実施したミシガン州立大学の関係者による個人文書の発掘・整理・検討を行ったことで(【課題②】)、「ミシガン・ミッション」という指導・援助プログラムが琉球大学の学生支援のあり方や具体的な取組にも少なからず影響があったことが確認できた。特に、史資料調査においては、9月中旬に沖縄県公文書館、沖縄国際大学図書館、琉球大学附属図書館、沖縄県立図書館をはじめ、今回初めて公益財団法人沖縄協会資料室(沖縄県糸満市摩文仁)において、担当職員の方のご協力、ご支援の下、関連の史資料を閲覧・収集することができた。
このような沖縄県内の多くの所蔵機関で収集した史資料の検討を通じ、琉球大学における学生支援の導入には、琉球大学という一つの大学のみならず、琉球政府文教局、琉球列島米国民政府(United States Civil Administration of the Ryukyu Islands: USCAR)、沖縄独自の育英奨学団体と捉えられてきた琉球育英会などの諸組織、諸団体が相互に複合的に絡み合いながら進められていたことが把握できた。
なかでも、琉球育英会の実態とその歴史については、本研究のテーマである琉球大学における学生支援の実像とも深く関わっていると考えられる。戦後沖縄の大学における学生支援を対象する研究蓄積が不十分と言わざるを得ないなかで、琉球育英会の動きを跡付けることは大きな意味を有すると考える。琉球大学における学生支援と琉球育英会の関係をどのように捉えることができるのか、現在、『琉球育英史』(琉球育英会発行、1965年)から関連し得る史資料に基づき、歴史的分析を鋭意進めている。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は、特に【課題②】「ミシガン・ミッション」に関わる史資料調査、ミシガン州大学関係者の個人文書の調査・発掘・収集の実施と、【課題③】「ミシガン・ミッション」による指導・援助プログラムを受けた琉球大学の学生支援の構築の実態とその歴史的意義の解明に取り組んだ。
沖縄県内の大学図書館や公共図書館での実地訪問調査を継続し、新たに公益財団法人沖縄協会資料室(沖縄県糸満市摩文仁)での調査も実現でき、占領下沖縄の琉球大学における学生支援をめぐる史資料の所在状況がより明確に把握できた成果は大きいと考えられる。
その上で、史資料調査の中で占領下沖縄の大学の学生支援の具体的取組に迫るためには、琉球大学に加えて、大学以外の関係諸団体の一つである琉球育英会の実態とその歴史の検証が不可欠であることも再認識できた。琉球育英会の関連資料や文献については、従来の研究においては体系的な情報や関係目録などが見当たらず、基本的な調査、検討から始める必要があり、本研究の一環として、現在、それらの整理作業を順次行っている。以上の進捗状況を踏まえ、当該区分の評価ができると判断する。

今後の研究の推進方策

引き続き、本研究課題について着実な遂行を行っていく予定である。具体的には、占領下沖縄の高等教育、琉球大学に関する沿革史誌、関連刊行物の渉猟・検討、占領下沖縄の琉球大学における学生支援に関わる史資料調査の状況を取りまとめ(【課題①】)、また「ミシガン・ミッション」に関わる米国での史資料調査、ミシガン州大学関係者の個人文書の調査・発掘・収集の情報についてもあらためて整理し、得られた史資料の収集情報等を提供する(【課題②】)。その上で、琉球大学の学生支援の具体像とその特徴を構造的に解明する(【課題③】)。そして、現時点で少なからず重要なアクターと考えられる琉球育英会の実態についても検討を試みる。
得られた研究成果については、新たに発掘、収集した琉球育英会の史資料を検討することで、琉球大学に限らない戦後沖縄の大学の学生支援の特徴を描出することが可能になると想定している。こうした一連の研究成果を踏まえ、2025年6月上旬に開催される全国学会の大学教育学会で研究発表を行う。また、論文等も執筆、刊行することで継続的な知見の公表につなげていくことを計画している。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由として、新型コロナウイルス感染症の拡大後の影響で、国内での史資料調査の実施時期が後ろ倒しとなったことが挙げられる。引き続き、着実に遂行していく計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2025 2024

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] なぜ文理融合教育が必要とされるのかー香川大学「総合科目」の歴史から振り返るー2025

    • 著者名/発表者名
      蝶 慎一
    • 雑誌名

      香川大学教育研究

      巻: 22 ページ: 3~16

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アメリカの大学における「初年次興味グループ」の位置づけと特徴ーワシントン大学の初年次教育プログラムの実践事例を中心にー2025

    • 著者名/発表者名
      蝶 慎一
    • 雑誌名

      香川大学教育研究

      巻: 22 ページ: 67~80

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Realities and Challenges of Internationalizing Administrative Staff at Japanese Universities2024

    • 著者名/発表者名
      Cho Shinichi
    • 雑誌名

      Journal of Comparative & International Higher Education

      巻: 16(3) ページ: 195~207

    • DOI

      10.32674/jcihe.v16i3.5147

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 46答申と学生支援政策2025

    • 著者名/発表者名
      蝶 慎一
    • 学会等名
      東北大学高度教養教育・学生支援機構 大学教育支援センター後援 公開研究会(1960-70年代の大学改革と学生参加・学生支援―中教審44答申と46答申の意義―)
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2025-12-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi