研究課題/領域番号 |
22K13733
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
西野 毅朗 京都橘大学, 経営学部, 准教授 (20781602)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 卒業研究 / 評価規準 / ルーブリック / 学士課程教育 / 研究能力 / 研究過程 / 研究成果 / 卒業論文 |
研究実績の概要 |
本研究全体の目的は、学士課程教育の全分野における卒業研究の評価基準ならびにその策定過程と活用方法を明らかにすることである。そして、学士課程教育の最終的な学修成果の客観的な可視化を促進すること、ひいては卒業研究の質を向上させる一助となることを目指している。 2022年度は5年間の研究計画の1年目にあたり、先行研究や事例の収集と分析に基づく分野を越えた卒業研究評価規準の体系化を試みた。具体的にはGoogleおよびCiNiiを用いて卒業研究の評価規準の事例を24件収集し、基準そのものを質的統合法(KJ法)を用いて分析した。 その結果、卒業研究の評価規準は、大きく【研究能力】【研究過程】【研究成果】の3つのカテゴリーで構成され、体系化できることが明らかになった。具体的には、【研究能力】は[知識][態度][技能]が規準化されており、卒業研究が多様な能力を評価しうることが示された。【研究過程】では、テーマ設定や先行研究の分析、目的・問題・目標・課題・仮説の設定、研究方法や結果、まとめといった[研究構成]のほか、研究倫理や技術者倫理といった[倫理]、論文やプレゼンテーション・制作物といった[表現]が評価される。【研究成果】は、貢献性、独創性、卓越性が規準としてあり得ることが明らかになった。 これまでの先行研究では、特定領域における卒業研究の評価規準の重みづけについて分析されてきたが、本研究を通じてそもそもの評価規準の多様性と体系性を明らかにできた点は意義のある成果になったと考えている。一方で24事例という限られた対象の分析結果となっており、どの程度一般化できるかについては引き続き課題として残されている。2023年度には、全国学科長調査を実施予定である。より広く深い分析を試みたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通り、先行研究や事例の収集およびそれらの分析を予定通り実施することができた。研究成果も論文として発行することがでた。したがって、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2023年度は、全国学科長調査を計画している。設計した質問紙を倫理審査にかけ、承認が得られ次第、郵送調査を実施する。郵送調査の実施に当たっては、専門業者に印刷・配布・回収・集計作業を委託することにより、正確で迅速に研究を推進していけるように計画している。得られたデータはまず記述統計による速報としての研究成果を公表し、後に推測統計を用いた仮説検証型の論文を作成したいと考えている。また、調査結果からグッドプラクティスを選定し、インタビュー調査を計画していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査を計画より前倒しで実施できる場合は、実施したいと考えていたがそこまでは叶わなかったため、調査に関わる費用が後ろ倒しとなった。また、調査の外注部分を多くすることで研究推進力を高めるよう計画変更したため、2022年度に予定していた機材購入を見送った。2023年度は、大規模調査を予定しているためそこに繰り越した予算を全て使う予定である。
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