研究課題/領域番号 |
22K13734
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
西口 啓太 関西学院大学, ライティングセンター, 准教授 (40885828)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ライティングセンター / 学習支援 / 専門性開発 / 研修制度 / 教科書分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、ライティングセンターにおける組織的な学習支援に携わる人材の専門性を高める教育プログラムの開発を試みるものである。具体的な研究課題として、高等教育機関に設置されるライティングセンターにおいて学習支援者に求められる資質・能力の解明、ライティングセンターで提供される教育機会を通じた学習支援者の学びの実態調査、学習支援者育成のための教育プログラムの設計と評価を設定した。 令和5年度は、令和4年度に引き続き教育プログラム設計のための準備期間と位置づけ、米国ライティングセンターで使用されている教育・研修用教材を対象として、その記述内容を分析することで、学習支援者が獲得することを期待される知識・技能について検討した。また、本研究課題に関連する先行研究をフォローしながら、文献資料および各大学の取組状況に関する情報を収集し、それらの読解と分析をおこなった。 主に米国ライティングセンターで基礎教材として使用されている教育・研修用ハンドブックに加えて、高等教育機関におけるピアチューター向け研修教材について、国内外の関連雑誌やインターネット等を用いて調査・収集し、それらの読解および分析をおこない、その特徴と傾向を整理した。また、ライティングセンターにおける学習支援者の専門性を向上させるための教育・研修用教材の学習内容について調査・分析し、教材開発の準備が進んだことに加えて、学習支援者育成のための教育プログラムの設計を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度の研究計画は、米国で使用されている教育・研修用教材であるハンドブックおよび各大学が公開している資料・情報から、学習支援者が身につけることを期待される知識・技能に関する記述内容を分析することで、学習支援者に求められる資質・能力の基礎要件を導出することであった。さらに、教育・研修プログラムの開発に向けて学習内容の特徴や傾向を整理し、プログラム設計の準備を進めることであった。令和5年度はこの計画にしたがい、国内外の関連文献および資料の包括的な収集・分析をおこなうことで、次年度から実施する教育プログラムの設計および研修用教材の開発に関する示唆を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目となる令和6年度は、1年目と2年目に実施した教育・研修用教材の分析および学習支援者に求められる資質・能力の基礎要件の検討で得られた知見をもとに、学習支援者育成のためのプログラムの設計と開発を試験的に実施する。また、実際に学習支援に携わる学習支援者への調査協力を通じて、学習支援者の学びの実態を捉えつつ、養成・研修段階において専門性を高める教材の開発を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
実施を予定していた学習支援者を対象とした調査および教育・研修教材の開発に関して、実施計画を見直したことに伴い、調査の実施計画と内容を一部変更した。また、令和5年度に収集を予定していた文献資料が想定よりも安価となり、消耗品費が少なく済んだ。そのため、消耗品費、人件費・謝金等に次年度使用額が生じた。令和6年度請求額とあわせて、人件費・謝金(インタビュー調査等の協力者への謝金)、その他(各種調査に係る経費)、3年目以降に実施する教育・研修用教材開発にかかる費用に使用する。
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