研究課題/領域番号 |
22K13771
|
研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
黒田 昌克 神戸女子大学, 文学部, 准教授 (50908291)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | ゲーミフィケーション / プログラミング教育 / 小学校 / 授業実践 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、本研究の目的であるゲーミフィケーションを取り入れた小学校プログラミング教育の授業実践モデルの開発に向けて、ゲームを題材とした小学校プログラミング教育の授業実践及びゲーミフィケーション全般における個人の特性(ユーザータイプ)やゲーム要素の関連性等の検証を行った。 前者に関しては、リモート環境において高校生と小学生のペアで九九の練習ができる学習ゲームを作成するというゲーム制作自体を題材とした授業実践を試みた。この結果、ゲーム制作はプログラミング教育における題材として小学生にとって興味深く意欲的に取り組むことができ、他者にプレーしてもらうことを前提とすることでユーザー意識を持つことができる可能性が示唆された。 後者に関しては、ゲーミフィケーションを教育に取り入れる上で学習者一人ひとりへの最適化を実現することを目指すために、学習者のゲーミフィケーションにおける特性(ユーザータイプ)を把握する尺度とその尺度によって明らかになった特性とゲーミフィケーションで利用される様々なゲームデザイン要素との関連性を検討した。この結果、外発的な報酬によって動機づけられ,活動の種類に関係なく,システム内で報酬を得るためなら何でもする特性を持つ学習者は、「うまく学習活動を進められると報酬があり、時には希少価値の高い報酬が得られることがある」といったゲームデザイン要素を好む傾向がある等、ゲーミフィケーションに関する特性とゲームデザイン要素の好みには一定の関連性がある可能性が示唆された。 令和4年度におけるこれらの研究により、令和5年度のゲーミフィケーションを取り入れた小学校プログラミング教育の授業実践開発に向けた基礎的知見を得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度、ゲームを題材とした小学校プログラミング教育の授業実践及びゲーミフィケーション全般における個人の特性(ユーザータイプ)やゲーム要素の関連性等の検証を行ったことにより、小学生に対するゲーミフィケーションを取り入れたプログラミング教育のレディネスの把握や評価の枠組みに関する基礎的知見を得ることができたので、授業実践を行う上での調査項目等の作成や題材の見通しがたった。これにより令和5年度中に授業実践開発及び試行を予定通り行うことが可能であると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度では、研究実施計画通りに令和4年度に得られた知見やこれまでの申請者の研究に基づいて最適なゲーミフィケーションの導入、学習内容の配置、教材の開発、評価の方法等を検討することによって、小学校プログラミング教育の授業実践モデルを開発する予定である。具体的には上半期に小学生のゲーミフィケーションの特性を把握する尺度やゲームデザイン要素の好みを把握する尺度を開発し、一般的な小学生のゲーミフィケーションに関する傾向を把握する。その上で、下半期は小学生のゲーミフィケーションにおける傾向を踏まえたプログラミング教育の実践開発を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、予定していた視察等がキャンセルとなったため次年度使用額が生じた。次年度使用額として繰り越した金額に関しては、研究に必要な物品の購入や学会参加や視察時の旅費として使用する予定である。
|