研究課題/領域番号 |
22K13776
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
研究代表者 |
遠藤 雅樹 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (00648967)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クラウドコンピューティング / デジタルスキル / 職業訓練 / 技能の見える化 / ラーニング・ファクトリー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ものづくり現場の実践技術者を対象としたクラウド利活用技術者の人材育成を行うカリキュラムモデルを開発し、公共職業訓練に展開することである。現行の公共職業訓練では、第四次産業革命に伴う産業構造の転換期に対応した実践技術者のデジタル化を伴う人材育成を行うカリキュラムモデルが構築されていない。 そのため、公共職業訓練で展開されているカリキュラムを分析し、クラウド利活用技術が展開できる内容を調査し、公共職業訓練における4つの分野(機械、電気、建築、電子・情報)の職業訓練の現場で発生するデータを使用した可視化や分析をモデルとしてクラウド技術を活用するカリキュラムが必要であることを確認した。 当該年度では、所属組織の中で厚生労働省の第11次職業能力開発基本計画に従い職業訓練指導員のデジタルスキル育成等に関する調査を実施し、クラウド利活用を含む職業訓練内容の検討を行った。その結果から、職業訓練におけるクラウド利活用を含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が喫緊の課題であることが再確認できた。 また、並行して技能DX及びラーニング・ファクトリープロジェクトを展開し、技能の見える化による職業訓練のDXと工場を想定した一連の設備から発生する人・機械・センサから収集可能な訓練データを基にしたクラウド利活用を行うカリキュラムモデルの作成に着手した。これらの成果により、職業訓練におけるクラウド利活用のカリキュラムモデルの構築に向けて予定どおり進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は令和4年度が1年目であり、3段階のスケジュールの内、「①職業訓練に関連したクラウド利活用要素の調査及びデータの絞込み」について、公共職業訓練として全国で展開されているカリキュラムからクラウド利活用技術を効果的に習得できるモデルをある程度選定することができた。よって、概ね計画どおり順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の2年目は、「②訓練データモデルの規格化」を中心に研究を進める予定である。そのため、技能の見える化やラーニング・ファクトリープロジェクトを中心に職業訓練のDXに対応する新たな職業訓練要素を含んだカリキュラムモデルに必要となる訓練データモデルを検討していく。また、クラウド利活用を含む新たなカリキュラムモデルを実施する上で必要となる要素技術について、職業訓練指導員研修として展開するための研修計画を立案し、全国の職業訓練現場への普及を推進する。さらにクラウドコンピューティングを活用した職業訓練基盤構築に対する調査を行い、本研究を活用した公共職業訓練へのクラウド利活用技術者養成に向けた取り組みを継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響によりクラウド利活用に関する現地調査等をオンライン実施及びカリキュラム教材の試作等をAWS Academyを利用した無償利用枠で研究開発を行ったためである。次年度は現地調査等の増加及び試作開発も無償利用枠に加えて有償利用も増加するため、次年度使用額は予定どおり利用する計画である。
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