研究課題/領域番号 |
22K13804
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
後藤 伸彦 一橋大学, 大学院社会学研究科, 講師 (40824959)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 複数集団メンバーシップ / 潜在的自尊感情 / well-being |
研究実績の概要 |
人は所属する集団(家族、職場、国)が多いほど自己報告による全体的な自尊感情が高く、主観的な幸福感、人生満足感(well-being)も高いことが知られている。しかし自己報告に拠らない自尊感情、あるいは自己報告であっても様々な側面の自尊感情が所属する集団の数やwell-beingとどのように関係しているのかについてはわかっていない。 2022年度は先行研究で潜在連合テストに使われた刺激について文献調査を行った。その結果、自己の能力に関わる語、自己の人格に関わる語、いずれでもないポジティブ感情、ネガティブ感情に関わる語のいずれかの組み合わせを使っている研究が多いことが分かった。また、これらの語を用いた潜在連合テストのスコアと自尊感情の関係を見た研究では、-.05~.20と強い相関は見られず、刺激語ごとの相関係数を示したものは見られなかった。さらに、全体的な自尊感情ではない側面別の自尊感情との関係を調べた研究は見つけられなかった。 2023年度は調査を実施し、側面別の自尊感情と潜在連合テストのスコア、そして所属集団の多さがどのように関連するかを検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の代表者は2022年度に新しい研究機関に移ったため、その着任準備や着任後の環境への適応に時間がかかり、特に年度前半において充分な研究時間を確保できなかった。現在は充分に研究の準備を進められており、2023年度は当初の計画通りの成果が得られる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
まずは自尊感情と所属集団の数の関連性を調べる調査を実施する。次に、得られた成果をもとに新しい刺激語を用いた潜在連合テストを作成し、自己報告と潜在連合テストによる自尊感情が、所属集団の数と一貫して、あるいは異なる形で関連するのかを確かめる。そして、それらの関連性が個人差によって変化するのかを調べる。 研究の実施にあたっては研究補助員を雇用し研究を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関の変更によって研究時間の確保が困難であったこと、新型コロナウイルスの影響を鑑みて、当初予定していた海外出張等を取りやめたことが原因となって次年度使用額が生じた。2023年度には研究補助員を雇用する費用に充て研究を推進する。またオープンアクセス形式で研究成果を発表することでより広範な研究領域にインパクトを与えることを目指す。
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