研究課題/領域番号 |
22K13818
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
小林 亮太 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50911442)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 内受容感覚の気づき / interoceptive attention / 感情制御 |
研究実績の概要 |
心臓の鼓動や胃の収縮のような身体の内部状態の感覚のことを内受容感覚といい,この内受容感覚を日々の生活の中で意識したり,変化に気づいたりすることを内受容感覚の気づきという。この内受容感覚の気づきには個人差があり,内受容感覚の気づきは感情の認識や制御に関わると考えられている。しかし,これまでの内受容感覚の気づき研究では基本的に成人を対象とした調査がなされており,児童生徒の内受容感覚の気づきと感情認識,感情制御の関連についてはこれまで検討がなされていない。この理由としては,そもそも児童生徒の内受容感覚の気づきを測定できる適切な尺度が開発されていない点が指摘できる。そこで本研究ではまず,児童生徒の内受容感覚の気づきを測定する尺度の作成に取り組むこととした。既存の成人版内受容感覚の気づき尺度の項目を参考にしつつ,児童生徒 (小学校中学年以上) でも理解,回答ができるように項目表現を修正した。そして,児童生徒500名を対象に,作成した児童生徒用内受容感覚の気づき尺度 (以下,気づき尺度),および抑うつや不安尺度へ回答を求めた。気づき尺度の項目表現が適切だったかを確認するために,各項目に「質問がよくわからない」と回答した割合を計算したところ,約3.5%であり,児童生徒でも回答できる項目になっていることが示された。十分な内的整合性,および抑うつ尺度や不安尺度との正の相関も確認され,一定の信頼性と妥当性を有することも確認された。今後は今回作成した尺度を洗練しつつ,児童生徒の内受容感覚の気づきと感情認識,制御の関連について研究を進めて行く。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要にも記載したように概ね当初の計画の通りに研究が進んでいる。ただし,調査を行う際に参加者を小学校4年生から中学校3年生に限定した。当初の計画では高校生も参加者とする予定であったが,中学生でも回答できる尺度が作成できれば,高校生にも十分使用可能だと考え変更を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初の計画通り,作成した尺度を利用し,児童生徒の内受容感覚の気づきと感情認識,制御の関係性についての調査研究を実施する予定である。また,本年度参加者としなかった高校生を対象とし,作成した気づき尺度が問題なく運用できるかについても検討を行う予定である。加えて,本年度作成した尺度はネガティブな内受容感覚の気づきの測定に特化した項目表現となっているため,ニュートラルからポジティブな内受容感覚の気づきを測定できる尺度を作成することも視野にいれている。
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次年度使用額が生じた理由 |
高校生を対象とした調査を実施しなかったため,次年度使用額が生じた。次年度使用額については次年度の高校生を対象とした調査,および新たな尺度を作成する際の調査費用として利用することを計画している。
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