研究課題/領域番号 |
22K13846
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
伊藤 まどか (丹羽まどか) 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 行動医学研究部, リサーチフェロー (50771630)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 複雑性PTSD / 妥当性研究 / 国際トラウマ面接(ITI) / 国際トラウマ質問票(ITQ) |
研究実績の概要 |
本研究は、国際疾病分類第11回改訂版(ICD-11)で新たに採用された、複雑性心的外傷後ストレス症(Complex posttraumatic stress disorder; CPTSD)に対する適切な診断評価、および効果的な治療を提供するための基盤整備を包括的に進めることを目指す。まずCPTSDの診断評価に関しては、国際トラウマ面接(International Trauma Interview; ITI)と国際トラウマ質問票(International Trauma Questionnaire; ITQ)が開発・検証されている。これらはCPTSDの臨床や研究を実施する上で重要な尺度であるため、本研究ではその日本語版を整備するために、患者群を対象に調査を実施し、尺度特性を評価することを目的とする。また治療に関しては、CPTSDに対するSTAIR Narrative Therapyのオープン前後比較試験のフォローアップを終え、より詳細な検証を行うとともに、無作為化比較試験のプロトコルを作成する。 今年度は、研究実施計画に沿って上述の診断評価尺度(ITIおよびITQ)の妥当性研究について倫理委員会の承認を得た上で、患者群の調査を開始した。年度末までにトラウマ体験のある患者22名の面接調査を完了し、一部の患者については再検査信頼性を検証するための再検査も実施した。また治療に関してはオープン前後比較試験のフォローアップが完了し、無作為化比較試験のプロトコルを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画の通り、本年度は、診断評価尺度の妥当性研究について、倫理委員会での承認を経て開始し、データ収集を進めている。また、STAIR Narrative Therapy の前後比較試験の登録者全員のフォローアップを終了させている。妥当性研究の登録人数は予定よりやや少ないが、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、診断評価尺度の妥当性研究のリクルート体制を強化するために、オンラインでの研究参加が可能になるように研究体制を整備し、より多くの参加者に面接を実施することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、診断評価尺度の妥当性研究の登録件数が予定より少なく、被験者や協力者への謝金などが次年度に繰り越されている。次年度は、臨床試験のリクルート体制を強化し、被験者や協力者への謝金や学会発表の旅費等に助成金を使用する予定である。
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