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2022 年度 実施状況報告書

発達障がい学生の自己理解促進を目的とした支援方法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K13855
研究機関札幌学院大学

研究代表者

辻 由依  札幌学院大学, 総合研究所, 専門職員 (30893838)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード発達障がい / 自己理解を深める支援方法 / アセスメント / 質問方法の工夫 / 自己権利擁護
研究実績の概要

大学生の中には診断の有無に関わらず,発達障がいの傾向を有している学生(以下,発達障がい学生)が多数存在し,その数も増加傾向である。しかし,発達障がい学生は自己理解が不十分なため,修学・就職活動においても必要なサポートを求めることができないといった問題が生じている。そのため,本研究では,発達障がい学生の自己理解を促進させるために必要な要因について明らかにし,発達障がい学生の自己理解を促進させる具体的な方法を構築することを目的とした。
2022年度は,発達障がい学生の支援を行う際に必要となる,①アセスメントポイントの整理,②アセスメントをスムーズに行うための質問方法の工夫,③発達障がい学生の自己理解を深めるための工夫,の3点を明らかにすることを目的とした。方法は,大学において発達障がい学生の支援を行っている専門職25名へ質問紙調査を行い,結果はGrounded Theory Approachを用いて質的に分析した。
その結果,①アセスメントポイントは12のカテゴリー(【社会的コミュニケーションおよび対人関係】【家族歴・生活歴と現在の困難】【ストレス対処および感情コントロール】【感覚特性】【多動性・衝動性】【認知的柔軟性】【実行機能】【日常生活】【学業】【知的能力】【自己理解】【その他】)および42のサブカテゴリーに分類された。②は5カテゴリー(【聴き取り方の工夫】【伝え方の工夫】【自主的な行動につなげる関わり】【情報整理や視点の確認】【話しやすい環境作り】),30サブカテゴリ―に分類された。③は5のカテゴリー(【気づきと経験による理解】【他者の存在を通じた気づき】【新たな知識・情報の利用】【支援者の姿勢】【理解を助ける面談上の工夫】),25のサブカテゴリーに分類された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り,①アセスメントポイントの整理,②アセスメントをスムーズに行うための質問方法の工夫,③発達障がい学生の自己理解を深めるための工夫,を明らかにするため,専門家へ調査を実施することが出来た。また,発達障がい学生の支援を行っている共同研究者の協力を得て,Grounded Theory Approachを行い,内容を分類する段階まで完了することが出来た。さらに,妥当性の検討のため,発達障がい者へのアセスメント研究に知見が深く,発達障がい者・学生への支援経験も豊富な大学教員1名(精神科医/臨床心理士)に内容を確認してもらうなど,研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2023年度は,2022年度の研究から得られた結果をもとに,発達障がい学生の自己理解を促進する際に利用できるアセスメントシートを作成する。次に,アセスメントポイントを考慮しながら自己理解を深めることを目的としたプログラムを作成する。

方法:研究1で得られたデータをもとに,自己理解を促進させると考えられる要因を整理し,アセスメントシートを作成する。また,アセスメントシートで整理された要因への気づきを促すことを目的としたプログラムを作成する。
プログラム作成時には,教職員から得られた,②アセスメントをスムーズに行うための質問方法の工夫,③発達障がい学生の自己理解を深めるための工夫,で整理された結果を組み込む。
アセスメントシートおよびプログラムの内容の確認(質の担保)として,専門家の確認(エキスパート・コンセンサス)を得る。

次年度使用額が生じた理由

統計ソフトに不具合があり,急遽統計ソフトを購入したことで,予定していたPCが購入できなかったため54,703円が繰り越しとなった。次年度使用額として繰り越された費用は物品費および学会参加などの旅費に充てる予定。
結果として,2023年度は物品費:約54,000円,旅費:80,000円,人件費・謝金:30,000円,その他:90,000となる予定。

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公開日: 2023-12-25  

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