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2023 年度 実施状況報告書

食べ物の検出・評価・嗜好に関わる視覚情報処理機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K13869
研究機関千葉大学

研究代表者

佐藤 弘美  千葉大学, 大学院情報学研究院, 助教 (60906733)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード食物 / 物体認識 / 視覚情報処理 / 心理物理学 / 画像特徴量 / 脳波
研究実績の概要

人間にとって「食べ物」は生存に不可欠であり生態学的に重要な意味を持つ.それゆえ,対人コミュニケーションにとって重要な「顔」が特別な情報処理過程に支えられているのと同様に,食べ物の認知もまた何らかの特別な脳情報処理過程に支えられている可能性がある.本研究の目的は,人間の脳がどのようにして食べ物とそれ以外の物体を判別し,多彩な食べ物のカテゴリや様相,そしてその価値を認識しているのかを,食べ物画像が含む「テクスチャ情報」に着目し,画像特徴解析,心理物理学実験,および脳波解析を駆使して,食べ物の認知と選好を支える脳情報処理機構の一端を解明することであった.
2023年度においては育児休業を取得していたため,新たな研究活動を行うことができなかった.しかし,2022年度に行った実験データを基に,本研究課題に関連する知見を国内会議にて5件,国際会議にて3件発表した.

育児休業期間: 2023年1月23日 ~ 2024年4月30日

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

出産および育児に伴う休業を取得したため.

今後の研究の推進方策

今後は2022年度に開始した心理物理実験を完了し,様々な評価軸における人間の評価と画像統計量の相関や評価軸同士,あるいは画像統計量同士の相関行列をベースに,PCA/ICAなどの分析手法を駆使して,食べ物の検出にとって重要な画像情報を決定する.
また,食物のスタイル合成画像が食物に見えにくいという発見を手掛かりに,原画とスタイル合成画像を混合した画像セットを提示中の脳波を測定することで食物特有の脳情報処理領域を特定する.
得られた知見を,国際専門誌において原著論文として発表する.

次年度使用額が生じた理由

2023年度は出産および産前産後休業,育児休業により研究活動が中断していたため,予算の一部が未消化となった.
2024年度は5月より研究活動を再開し,2023年度より開始した心理物理実験データを取り終える.データ解析を進め,得られたデータを2件の国際会議にて発表することを見込んでいる.繰越金の一部はそのための旅費とする.
また,新規に食物・非食物画像とスタイル合成画像を提示中の脳波を測定する実験を計画している.先に行った心理物理実験データとともに学会発表を行い,併せて原著論文として国際誌に投稿予定である.繰越金はそのための旅費,校閲費,論文掲載料として使用予定である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件)

  • [学会発表] Effects of lighting diffuseness and object shape on surface appearance2023

    • 著者名/発表者名
      Akira Kudo, Yoshinori Dobashi, Hiromi Sato, Yoko Mizokami
    • 学会等名
      The 14th Asia Lighting Conference (ALC 2023)
    • 国際学会
  • [学会発表] Hue Polarity Selectivity in a Color Contrast-Contrast Phenomenon2023

    • 著者名/発表者名
      Shohei Kamegawa, Hiromi Sato, Isamu Motoyoshi, Yoko Mizokami
    • 学会等名
      The 15th Congress of the International Colour Association 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] Relationship Between the Observer Metamerism of Color Vision Diversity and the Spectral Bandwidth of Primary Color Spectrum2023

    • 著者名/発表者名
      Rei Nakayama, HIromi Sato, Yoko Mizokami
    • 学会等名
      The 15th Congress of the International Colour Association 2023
    • 国際学会
  • [学会発表] 周辺環境の色構成が彩度順応効果に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      三浦伊織, 佐藤弘美, 溝上陽子
    • 学会等名
      日本色彩学会第54回全国大会
  • [学会発表] 異なる色コントラスト条件におけるコントラスト対比の極性選択性2023

    • 著者名/発表者名
      亀川祥平, 佐藤弘美, 本吉勇, 溝上陽子
    • 学会等名
      日本視覚学会2024年冬季大会
  • [学会発表] 分光情報の帯域幅とオブザーバーメタメリズムの関係2023

    • 著者名/発表者名
      中山玲偉, 佐藤弘美, 溝上陽子
    • 学会等名
      日本色彩学会色覚研究会令和5年度研究発表会
  • [学会発表] 照明と表面変化時の質感識別性2023

    • 著者名/発表者名
      赤堀隼也, 佐藤弘美, 鈴木りえる, 土橋宜典, 溝上陽子
    • 学会等名
      日本色彩学会色覚研究会令和5年度研究発表会
  • [学会発表] 方位対比効果の輝度極性選択性2023

    • 著者名/発表者名
      真内拓実, 佐藤弘美, 溝上陽子
    • 学会等名
      日本色彩学会第45回視覚情報基礎研究会研究発表会

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公開日: 2024-12-25  

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