研究課題/領域番号 |
22K13902
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
伊藤 要平 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 助教 (90909409)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | D加群 / 代数解析学 / Riemann-Hilbert対応 |
研究実績の概要 |
本研究の主題は``Stokes filtration''を用いた複素構成可能拡大帰納層(C-constructible enhanced ind-sheaf)の特徴付けを与えることであり、その目的はホロノミーD加群に対するRiemann-Hilbert対応を理解することであった。
昨年度に引き続き帰納層に対する``filtration''の概念の確立を試みたが大きな進捗は得られなかった。そこで、申請書の研究計画に基づき拡大帰納層の代わりに拡大副解析層を用いるという方法に切り替えた。そして、第一段階として拡大副解析層に対して複素構成可能性を導入し、それらのなす三角圏と複素構成可能拡大帰納層のなす三角圏が圏同値であることを証明した。また、それに関する論文を執筆し現在印刷中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請書に記載した研究計画の2年目の目標が達成されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
研究業績の概要で述べた圏同値を用いれば「複素構成可能拡大帰納層を``Stokes filtration''を用いて特徴付ける」という問題は「複素構成可能拡大副解析層(C-constructible enhanced subanalytic sheaf)を``Stokes filtartion''を用いて特徴づける」という問題に帰着される。帰納層より副解析層の方が扱いやすいため今後は後者の問題に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた研究集会をキャンセルしたため。2024年度は講演や情報収集を行うため積極的に研究集会に参加する予定である。
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